和希がいないことに気付いたものの、俺達3人は各々の部屋を決めた。
予め最低限のものは用意されており、すぐにみんな就寝したようだ。
俺は和希が気になり、なかなか眠れずにいた。
そんな時、がさごそとリビングの方で音がした。
「和希・・・・?」
俺はベッドから降りてリビングに向かった。
そこには智弥がいた。
「なんだ、智弥さんか。」
「ん?なんだよ、やけにがっかりじゃん?俺で悪かったね。」けたけた笑った智弥。コーヒーカップとスナック菓子を持ってリビングのソファーに座った。「眠れないならこっちで付き合えよ。飲むもんなら一杯あるしな。」
智弥が指さした冷蔵庫には確かに食料や飲み物が用意されていた。
俺はココアを選び、智弥のあとを追ってソファーに座った。
「えーっと、竜太だっけ?自己紹介途中であんまし覚えてないけどな。」
と笑った。
「竜太です。俺は智弥さんの名前は覚えてるのにヒドいなー。」
俺も笑った。
「なんか、あれですよね。ここって少年院っぽくないですよね。」
「だなー。なんて言うがただの集団生活って言うか、修学旅行って言うか。」
苦笑いを浮かべた智弥を見て俺も苦笑いを浮かべた。
「まー、あれだよな。こんな場所だけど、同じ部屋だし宜しく頼むわ。竜太。」
ぽんぽんと頭を撫でてくれた智弥。嬉しくて頷いた俺。
「こちらこそ。」
それから他愛ない話をして、眠りについた。
結局和希はその夜は帰ってこなかった。