続き書きます。
「何買ってきたの?」
コンビニの外に待たせていた賢也が、駆け寄ってきた。
「はぃ…」
何か、口にするのが恥ずかしくて袋を渡した。
「ん?」
袋を覗き込む賢也。
顔が熱い。
「ぁ…ぅん。ありがと…」
袋を返してきた。
顔が赤い。
「何かあったときのために…な」
自分で何を言ってるんだか分かんなかった。
「何かって…」
余計に顔を赤くする賢也。
「変な想像すんなバカ」
「純一クンだって」
賢也と目があった。
ヤバい…。
何だか分かんないけどヤバい。
心臓が痛い。
「純一クン…帰ろ」
「あ、ぅん」
手を繋いで帰る。
途中、公園に寄った。
初めて来る場所じゃなかった。
昔、何回か来たことがある広い公園。
今じゃほとんど来ないが。
9時を過ぎているからか、人はいなかった。
ホントなら早く帰りたかったが、賢也に頼まれて寄った。
奥の、道路からも見えないようなベンチに座る。
「純一クン、中学時代バスケ部だったよね?」
「そうだけど。何で知ってんの?」
「バスケ上手いし。それに、一回だけ試合で会ったんだよ」
「マジ?」
「ぅん。トイレで会った」
「トイレで会ったって…。誰にでも会うだろ」
肝心な話なのに、ボケる賢也はカワイイと思った。