気がつけば、もう、三日目の朝を迎えていた。相当早く目が覚め、まだ、外の世界は薄暗く、窓から降り注ぐ光も青かった。
職場体験は、今日でお終い。もう早く終わっちまえと思ったときもあれば、まだこの環境でぬくぬくとしていたいと思ったときもあった。だが、とにかく今日でお終いで、この三日間に別れをつげなければならない。
今日は、褌タイプの白い、薄い生地のビキニを穿いてゆくことにした。昨日、舜一が僕の褌姿を是非見たいと言っていたからだ。最後のサービス。鏡の前にたって、朝っぱらから元気な肉棒を、慎重にあてがい押し込める。Sサイズの褌だったから、もし収まらなかったらどうしようと不安になったが、努力してなんとか収納できた。今度は、後ろ向きになり、振り向いてケツを確認する。たっぷりとした重量感をもちながら、美しく引き締まり重力に逆らい、プリッとしている。中学では友達なんかは、わざとものを落として、それを拾うために屈んだ僕のケツを賞美するといった悪戯紛いのことをする。去年までは、部活で先輩方にもよく鑑賞された。
「T、お前、ケツの毛がすげぇなぁ」
と、先輩方は惚れ惚れとした感じで言った。確かに、自慢の両脚の臑毛は薄いのにも関わらず、ケツの毛からひどく毛深くなっているのは何故だろう。僕は、鏡を見ながら、両手でケツを激しく揉んで、ひとりで長く悶えた。
舜一による、朝の下着チェックは、朝礼前にトイレの個室に呼び出されて行われた。
「あ。褌ですかぁ」
舜一はそう言いながら、手を後ろにまわし、僕の剥き出しになっている尻をむんずと掴む。双丘はゆっくりと揉みほぐされ、僕は荒く息を吐いた。
「柔らかいですね。いつまでも、揉んでいたいよ」
僕は、昨日の松本先生の一件について尋ねた。あの後、松本先生は机にまき散らされた淫液にどう反応したのか。だが、舜一は相変わらず、双丘の愛撫ばがりして、知らないと言ったきりだった。
「松本先生の机に、射精してどうでしたか。もの足りませんか?」
下着チェックが終了し、個室の鍵を開けた。僕は、舜一の問に首を横に振った。たまったもんじゃない。もう、あんな危ない綱渡りはごめんだ。松本先生が、何を題材に自慰に耽ろうが、もう興味はない。
美術室は、三組の隣にあるのだが、美術の際には毎回、二号館の二階に位置する古びた狭い美術室を使うらしい。僕は、美術室の真下にある松本先生の理科室を思い出した。もう興味はないと言ったものの、褌にくるまれた僕の股間が僅かに反応をするのを具に感じた。
今日の美術は写生で、前回の授業の続きらしく、いったん美術室に集まったあと、それから自分が前回写生していた場所、中庭とか、廊下とかに移動してそれぞれで作業を進めるものだった。
「僕たちは優秀だから、もう前回の時点で写生は終わってますよ」
舜一率いる六人組は、にやつきながら僕を取り囲む。
「暇だから先生、空き部屋に行きましょう」
そう言って彼らは、僕を押さえつけて、三階の空き部屋に連れて行った。
「先生のヌードを書きたい人」
舜一の掛け声に、残りのものは賛同の声をあげる。僕は、部屋の中央にある長机に仰向けに寝かされている。もう既に、股間は体操服の上から彰吾の指で巧みに弄ばれ、雁首をもたげていた。
「よし、まず脱がそうぜ」
彼らは、乱暴に体操服を脱がした。たちまち、僕はお祭りのまっさらな褌姿になる。
「いいねぇ、ふんどし」彰吾は、笑った。
「じゃあ、さ。まず、四つん這いになって」
四つん這いと言うと、僕のなにも隠すもののないケツが晒しものになるということだ。それは、まずい。ケツのジャングル状態の淫毛が、そして何より、まだ敏感な穴が、ある。
「早く!!」
彼らは、六人がかりで僕を裏返し、膝を曲げさせ、股を開かせ、尻を突き出させた。そして褌を穿かせたまま、肉棒は横から取り出し、ケツの部分にかかった部分も横にずらした。僕は、だらんと股にぶら下がり、くろぐろと反り返っている肉棒の合間から、股間の向こうの世界を恐る恐る眺めた。そこには、淫乱な目をした六人の子ども。彼らは、言葉も発さず、僕の広げられたケツと淫毛、そして核となる穴を拝むようにみている。閉じたくても押さえつけられて閉じられない足に、汗が滲む。
「先生、毛がすごい。あと、穴がきれい」
彰吾は、唾を飲み込んだ。六人が一斉に、飲み込む。
「ヒクヒクしているよ」
僕は、もう恥ずかしくて目を瞑っていた。こんな年端もいかない小学生に、秘部を暴かれるなんて。しかも、こんな恥ずかしい格好で視姦されるなんて。
「あぁぁ!!」
僕はびくっと痙攣した。何かが、穴を刺激した。僕は、目を開き顔をあげ、後ろを振り向く。
なんと、舜一が、絵の具道具の絵筆を用いて、僕の穴を一捌け撫でたのだった。