〈1〉
僕の名前はT。今年で中学三年生。水泳部に所属している。背はまあまあ高く、けっこうがっちりしているほうだ。アソコは、多分部内では一番デカい。と言われている。それがコンプレックスだったりもするのだが。
僕らの中学校では、三年生の春に職場体験と称し、一般の企業に数日間訪れて、仕事の様子などを見たり、それを体験させてもらったりする企画がある。勿論その企業というのは自分の行きたいところを、自由に希望出来る。
僕が希望した職場は、小学校だった。というのも、それは自分の意志と言うより、人に流されてと言う感じ。友達数名に誘われて、小学校の体験に希望を出したら、意外に希望者が少なかったらしく、臆した友達は勝手に自分たちだけ辞退してしまったのだ。事情を知らなかった僕は、1人だけ自分の出身小学校でもない、未知の小学校の職場体験に出向かなければならなくなった。しかし、まあ普通の企業よりは小学生相手の方が楽かなっと僕も楽観していたので、丸く収まった。まさか、その職場体験の3日間であんなことが起きるなんて、その時予測出来ただろうか。
〈2〉
我が校の体操服は、僕にとってなんとも快感をもたらすものだ。形がとても影響していると言える。今の時代にして、クォーターパンツではなく、それよりもずっと短い。しかも裾は、斜めに広がり結構空間が広い。つまりは、体操服の中身がとても無防備になっているのだ。ものをとろうと屈む時は必ず下着が出てしまうし、体育座りをするとき気をつけなければ、アソコが見えてしまう。そんなわけで、男子生徒だけでなく、父兄からもその卑猥さにクレームがくるような体操服なのだ。しかし僕にとっては、それがむしろ快感なのだ。
まずその丈の短さから、自分の日に焼けた足が露わになる、その姿。露出欲が強い僕にはたまらない。体育のときに僕の脚に釘付けになるやつも多いだろう。そして、二年生の終わり頃から僕は、それまで穿いていたボクサーをやめて、ビキニで登校するようになったのだ。このことを知っている友達は、クラスにはいない。更衣のときも、気が付かれないように着替えるからだ。そこまでして、つまり見られたら怪しまれるほどの際どいビキニを穿いてくるのは、やはり快感を求めてなのだ。誰かに見られてるのではないか、という居ても立ってもいられないような吹き出る興奮と、適度に僕のアソコを締めつけるビキニの気持ちよさを餌に、僕は勃起してしまう。
今日から始まる職場体験でも、制服ではなく体操服で常にいなければならない。そう、僕はまたお気に入りの卑猥なビキニを身につけ、行こうとしている。横がストリングで、股間のところだけに布をあてがったようなオレンジ色のその上に、評判の悪い体操服を穿く。見られたいのではなくて、小学生に見られるかもしれないという期待と恐れに、少し胸が高鳴り、肉棒が疼く。僕は、その日の朝、少し早めに小学校に到着した。
〈3〉
汚い、古い。騒音が絶えない学校だなと、思った。
職員朝礼で、教師の列に並ぶ。Tです、3日間宜しくお願いします。と挨拶する。別に教育実習生とかでもないので、誰もが微笑を浮かべ、あるいは我関せずといった具合に僕を流した。
僕が受け持つというか、3日間をともにするクラスは六年三組だった。少子化の影響だかよく知らないが、女子がクラスに三人しかおらず、あまりにも可哀想なので、移動させ女子はかたまらせたらしい。つまり三組には男子しかいない。男子校さながら、といったところか。普通はありえないのだが。
薄暗い三階建ての、棟の一番奥にあるクラス。隣の二組とは、トイレと広大な美術室。階段をはさんでいて、相当離れている。
「今日から、3日間。職場体験でお前らと、行動をともにするTくんだ。T先生と呼ぶようにな。」担任の先生の後に、僕は笑顔で爽やかに挨拶した。お辞儀したときに、ビキニがケツに食い込む。
「ちなみに、俺は明日明後日と出張だから、お前らには課題の勉強を課しておくからな。まあ自習ってことだから。T先生ひとりで大丈夫だろ?まあ頑張ってくれ」
先生が話している最中に、僕はさりげなくクラスの子たちを観察した。
小学生というには、あまりに成長している子が多い。背は高く、体つきもよい。中学一年生より、大人っぽくすら見えるのだから不思議だ。彼らは、騒ぎもせず先生の話を聞いている。しかし、やはり多くの視線を全身に感じる。この体操服も関係がないとはいえない。チラチラというよりは、じっとりと舐めまわすような視線を感じるのは気のせいだろうか。僕は、何故だか、ビキニを穿いているのがバレているような気分になる。恐れと、いやらしい期待に半起ちになるほど。
一時間目の国語は、後ろの席で傍聴し、なんなく過ぎた。退屈だった。
二時間目は体育。その時は、既に夏本番。だったので、もちろん水泳。水泳部の僕は、なんの気兼ねもなく嬉しい。さすがに際どい水着だとヤバいので、普通のスクール水着を携えて、僕は更衣室に、ゆっくりと向かった。