タニモトサン「トイレ行くついでにコレ事務所に持ってっといて。」
俺「へーい。」
タニモトサン「あ!ドカ、そこ・・・」
俺「ん?なに?」
『ッガ〜〜ン!!』
・・・っ痛い・・・
タニモトサン「はははっ!」
俺「はははっじゃない!あー、いってぇー。」
タニモトサン「だってさ、そこ危ないぞ!って言おうとしたら、後ろ向きながら進むから。・・・プッ」
俺「笑い事じゃないすよ!ったく、ちゃんと倉庫のシャッター上まで開けとかないから、俺額ぶつけたじゃないすか!」
タニモトサン「いやー、この倉庫のボロシャッターあれしか上がらないんだ、錆びててさ。ドカ以外のやつなら頭下げなくても余裕で出入り出来る高さだったし。でもドカの石頭でシャッターどころかレールまでぶっ壊してくれたおかげで、やっと新品に交換出来るな。ドカも大怪我じゃなくて良かった。ホラ、絆創膏貼るから、顔そっち向けろ。」
俺「はーい。」
タニモトサン「で、最近どうだ?片思いの彼とは。」
俺「何もないっすよ。昨日ウチ来たけど、一緒にメシ食っただけ。」
タニモトサン「コクってみればいいのに。」
俺「いや、無理。」
タニモトサン「なんで?彼もドカがゲイってこと知ってるんだろ?」
俺「知ってますよ。でも友達にしか思ってないみたいで。彼って、つかみ所が無いから、9年もの付き合いだけどよくわからない性格なんすよ。」
タニモトサン「そっか。フラれるの怖い?」
俺「フラれるだけならいいんすけど、今より距離とられるかもしれないなら、このまま友達の関係でも満足できる。」
タニモトサン「はぁー、ドカも難しい人好きになったな。まあ、ドカは単純すぎるけど、おバカすぎて時々わからなくなることあるし。」
俺「え?俺そんなおバカじゃないっすよ!」
タニモトサン「いや、単純だけど天然て言ったほうがいいかな。」
俺「天然でもない!!」
タニモトサン「あ、ドカ、トイレ行かなくて平気か?」
俺「あ!トイレ行くの忘れてた!やべっ、チビりそう。」
タニモトサン「・・・やっぱドカは天然でおバカで単純でドジだ。」
俺「俺はそんなんじゃない!・・・トイレ行って来ます!」
タニモトサン「おう、途中でチビるなよ。・・・あ、この箱ついでに事務所に・・・やっぱいいや。」
俺「ダァ〜、モレるー!」