「ない…かな」
「かなってなんだよ〜」
あれをカウントしてイイものか迷った。
カウントしなければ後戻りできるかもしれない。
でも、自分でも分かっている。
後戻りは決して出来ないと。
「か、和磨はあるの?」
「お、俺?」
明らかに動揺した。
「あるの?」
「ある…かな?」
「そう…なんだ…」
なぜかそれがムカついた。
「なんで落ち込むんだよ(汗)」
「え、そんなことないよ」
「なに?もしかして、俺のコトLOVEなの?」
「んなわけないじゃん!」
「そかぁ、残念だな〜」
「ゼッタイ残念なんて思ってないでしょ」
「いや、好きって言われて嫌な気分にはならないからな」
真顔で言われてドキッとした。
「てか、男にコクられたコトあるし」
「マジ!?」
「あぁ。てか、ヤッタのってそいつとだし。まぁ、手コキとフェラだくだけどな」
「そ、そなんだ…」
「秘密だけどな。そいつ、同じ学校の西田彰ってやつなんだよ」
「へ、へぇ…彰、なんだ」
「え、知り合いだった?」
「ま、まぁ…」
ムカつく。
「ミスった〜。ワリィ忘れてくれ、な」
「ぅ、うん…」
俺と今日した相手は、
和磨にも同じことをしていた。
「和磨…」
「なんだ?」
「俺…今日の昼、彰としたんだよ」
「………」
沈黙した空気が流れた。