エロくなくてすみません。エロはもう少し先です。
「コントローラーが見つかんねぇ」
そう言って佐茂は2階にある自分の部屋から降りてきた。
「じゃあゲーム出来ないじゃん」
「うーん…じゃ、とりあえず俺の部屋に行くか」
「あ、うん」
思ってもみない幸運だった。俺はTシャツを手に持って佐茂の背中を見ながら階段を上った。
「ロフトあんの? すげー。あ、アルバムあるじゃん」
俺は最初から狙っていた中学校の卒業アルバムを机の棚から取り出した。卒業アルバムというものはだいたいここにあるのが定番だ。佐茂もベタなやつでよかった。
「見ていい?」
「別にいいけど、おもしろくねぇよ」
俺はそれを横にあるベッドに座って読み始める。じっくり読んだが、確かにおもしろいことはなかった。もっと目立てよ。髪形すら変わってないじゃないか。そんなことを思っていると、突然体に電撃が走った。
「うわっ」
「お、乳首立ってきた」
佐茂が俺の後ろに回って、乳首を両側いっぺんにつねってきたのだ。
「やめろって」
いつもなら服の上からだけど今は上半身何も着てないから敏感だ。このままじゃやばい。勃起してしまう!
「やめっ」
「あ…勃ってる」
終わりだ。勃起したところを見られてしまった。恥ずかしさのあまり、おれは佐茂を力づくで振り払っていた。
「…このやろ」
俺の中で恥ずかしさから怒りへと変わるのがわかった。もう、こうなったらだ。
「仕返し!」
今度は俺が佐茂の後ろへ回り乳首攻めをしてやることにした。今まであんまり俺から仕掛けることはなかったから、佐茂は必死でもがいていた。けどおれのほうが体格もいいし、逃げられるわけがない。すると、俺の手の中で乳首が硬くなっていく。しかも、股間ももっこり膨れ上がってるではないか。
感じているんだ。俺の愛撫に。
「やめっ、竜!」
俺は素直にやめた。そのまま背中から佐茂に抱きつく。
もう我慢できない。言いたい。
言いたい。
「好き」
「は?」
「俺、佐茂のこと好きだから」
「えぇ!?」
言ってしまった。ついに言った。
でも返事が怖い。かといって佐茂の顔を見るのも怖い。
動きたくない。ずっとこのままでいたい。
沈黙が続いた。
「……俺は」
だめだと思った。
「竜のこと嫌いじゃない」
「え?」
「……俺も好きだから。好きじゃない奴にこんなことしねーし」
俺はうれしさの余り佐茂を押し倒した。