ほのかなシャンプーの匂い。下手に香水をつけているより、こんなふうな方が魅力を感じる。
勝手に力が入って、俺の唇はカサカサになるほどだった。
そんな俺に先生はすぐきづく。
「快星、もしかして…」
俺はコクンとうなづいた。そう、俺は男には興味があるのはあるが、男性経験は0だった。ましてや、こんな状況。どうすればいいかわかる訳がナイ。
そんな俺に先生は、
「俺じゃあダメかな?何度も目があうこともあったし、少しは俺に気があるんだろ。」
と、問いかけた。
「できたら…俺を好きになってくれないか?」
先生は真っ直ぐ俺をみつめて聞いた。
心臓がおかしいぐらいバクバクしている。
「はい…」
俺は賭けにでるつもりでそう答えた。――この人とならいいかもしれない。
「ホントか?」
「俺も…先生のこと好きになりたい。その為には順序が逆でもいいですよね。」
先生は俺の言葉を聞くなり、俺をギュッと抱き締めた。さっきより、確実にシャンプーの爽やかな匂いが近づいた。
「んっ…んん…」
やさしく、やさしく唇が重なる。俺はそれだけで目眩を起こしそうになった。
小さく震える俺の肩を掴んで、先生は俺の唇を舌で押し開いてきた。中に入ってきた先生の舌は俺の口の中で縦横無尽に動きまわる。
そのうち俺にも火がついてきて、無我夢中に先生の口で動いた。
次第に息が切れてきて、ちょうど窓ガラスが白く曇り外の景色と車内とを遮断してくれた。
「体…触っていいか?」
先生は俺の返事を聞かずに、俺のトレーナーの中に手を伸ばした。
全体的に先生の手のひらで触られたり、乳首を摘ままれたりして、俺は込み上げる嗚咽をもらしてしまった。
「うッ…あッ…」
先生はまじまじと俺を見る。
「感じるのか?」