カズオはすごく長身で、
年下のコから見れば「包容力のあるお兄ちゃん」って感じなのだろう。
本人いわく「精神的にも肉体的にもタチ」らしいのだが、
俺には、彼のキラキラした笑顔が、すごくかわいらしく思えた。
彼のつややかな唇を見ているとキスをしてみたくなるし、
彼の小さな鼻を見ているとついつい性器を想像してしまう。
ある日、俺はカズオに呼び出され、一緒に酒を呑んだ。
カズオはいつもと同じように笑いながら酒を呑んでいる。
でも、あきらかにふだんよりもペースが速いし、
その笑顔もどこか作られた笑顔だった。
どうやらカズオは自分でもわからない孤独感を抱えているようだった。
自分で認識していない孤独感ほどたちの悪いものはない。
それをどうすれば解消できるのかを考えることができないのだから。
呑むペースが速かったせいか、あるいは仕事で疲れていたせいか、
カズオはすっかり酔いつぶれてしまった。
「もう帰ろうか?」
「うん。」
「俺の家に泊まっていけば?」
「えっ、いいの?」
「いいよ。」
俺はカズオを自分の家へ連れて帰った。
「何か飲むか?」
「うーん、いらない。」
カズオは、俺のベッドに横たわりボーっとしていた。
「やっぱり、何かあったの?」
「別に何もないよ。」
笑いながらカズオが答える。