俺が車に乗り込んでからもMはどことなく不機嫌だった。というか、真剣な顔をして無口。こういう沈黙が俺はものすごく苦手だ。多分Mも苦手なんだと思うけど、向こうが話しかけてこないとこちらからは物を言いずらい空気が漂っていた。
そのままMの家まで到着。一言も交わすことなく、Mはそのままリビングに行ってしまったので、俺は買ったものをMの部屋にとりあえず置いてから行くことに。
階段を降りてリビングを覗き込むとMがこちらのほうを向いて小さく手招きをしたので、ソファに座っているMの横に俺も腰を下ろした。
そっと腕が肩越しに伸びてきて、Mのおでこが俺のおでこにくっつけられる。
キスがしたいのかな・・・
いや、でもあれから全くこいつしゃべってないし、キスとかしたら空気が読めない人みたいでまずいかな・・・
などど考えていたらMが長い沈黙を破って口を開いた。
M「それで、お前にとって俺はた・だ・の友達なわけ・・・?」
「・・・・・は?」
全く予想外の言葉に、俺は思わず部屋中に響く大きさの間抜けた声を出してしまった。
M「だからさ、お前は俺のことをただの友達としてしか見てないのか?って聞いたんだけど。もしそうなら、こういう関係とか続けるのは良くないと思う。俺も最初は男と恋愛とかよくわからなかったし、考えたこともなかったけど、最近はお前と過ごす時間が好きだし、これから先はお互い恋愛感情も絡んでくるのかと思ってた。だけどお前が俺をダチとしてしか見てないなら、もうデートとか恋人まがいなことはやめたほうがお互いの為だと思う・・・。俺もお前にその気がないなら、男と恋愛の真似事をするよりも、女とストレートの関係を持ってたほうが都合がいいから。。ただ、お前が真剣に俺とのこと考えてたなら俺も誠意をもって接しなきゃいけないと思ってたんだよ・・・」
とさっきまでの沈黙とは全く逆に、流れるようにMが俺に対する気持ちをしゃべりだした。
M「さっきもさ、そりゃ俺だってゲイカップルとかって決め付けられるのは物凄く抵抗はあるけど、お前があんな風にかたくなに否定するのは俺とはそういう関係になりたくないからだろ・・・?もしそうならはっきり言ってくれて構わない。」
室内には昼下がりの明かりが窓から漏れて、白い壁には木の陰だけが写っている。
ソファの上でおでことおでこをMと触れ合っている今の状況が、まるでドラマの一シーンみたいだった。
(俺はロマンスとかは信じない人間だけど、Mに対する気持ちが膨らんでいっている所為で最近世界が今までよりドラマチックに写ってます。おかげで恋の病みたいなものに、十年ぶりくらいにかかってる気がする笑。と余談が過ぎた。)
はっきり言って、ノンケとかバイと恋に落ちるのは精神衛生上よくないと俺は思う。もともと望みがないか、望みが裏切られるという落ちがありにありえる。だからどこかでかけていたMに対する気持ちへのブレーキが、このとき初めて音を立てて崩れ落ちたような気がした。もうこうなると人は夢中の恋へのアクセルを踏み続けることしかできない(と思う。)
俺は嬉しさとどきどきで体がかすかに震えるのを感じた。
「M・・・・俺が何回お前に夢中だって言えばわかるの?」
M「そんなの冗談くらいにしか思って無かったよ。。。んで、どうなんだよ、本当のところ。俺たちはただの友達なのか?」
答えは決まってる。俺は触れ合っていたおでこをそっと離すと、Mの灰色に透けた髪にそっと手で触れて、俺の唇をMの唇の上へと重ねる。俺は答えの代わりに短くて静かなキスをした。
「まー、、先のことはわからないけど!とりあえずこれで伝わったかい??」
おどけて見せたけど結構顔が熱く火照ってた。(自分は小学生かと思った。)
M「・・・・・・」
Mも驚いた表情を一瞬見せたけど、すぐにニヤッと微笑んで、
M「・・・いや。。全然伝わらなかった。もう一回やってくんない?」
「へへw。いいよ。。何回でもしてあげるよ・・・」
そうしてまた二人は、今度は長い長いキスを、腕をお互いの体に回して、、、
昼下がりだというのに不埒な感情がむらむら笑。困ったもので、心が高揚すると体も同調してしまう。
相手の体温に刺激されて、俺たちの下半身は痛いほど反応を示してしまっていた。笑
やっぱりロマンスは本能に負けるのでしょうかw
次回からエロいパートに入ると思います・・・これからまた一作業あるのでまた明日あたり時間があったら書きますね。
それじゃおやすみなさい・・・