車は郊外の森林地帯をめぐるハイウェイを走行していた。周りは街灯もなく、時折車のライトが照らし出す<<ムース飛び出し注意>>の看板だけがある真っ暗な道。思わずこの後起きるかも知れない事に期待が高まるのを感じた。
変化球は昔から苦手だ。人生直球勝負あるのみ。
「コンドーム買ったんだね。あれってさ、もしかしてもしかすると俺とする時のために買ったりしたの?」
沈黙が返ってくる。
M「・・・」
焦った。聞いちゃまずかったのか。Mの表情が硬くなる。
「いやさ、別にその〜、ちょっと興味があったというか、前俺たちがしちゃったときは持ってないって言ってたからね。汗。もしかして、また俺としたいから買ってくれたのかな〜、と思って。。。(半泣)いやほんと、気悪くしたらごめん!」
M「・・・まだ何も言ってないだろ。勝手に焦るなよ。そもそもなんで俺が男としたのか未だにわかってないんだよ…。ただ、この間は俺から無理やりさせたような気がしたから。生ではしたくなかったんだろ。それで少し後悔したんだよね。だけど本当のところIとした時めちゃくちゃヨかった。だからもしIがまたしたくなったらコンドームくらい用意してやろうと思って買ったんだよ。」
・・・
・・・男らしい!笑。
俺はその言葉を聞いてMの男気(?)に心を打たれた笑。
「俺さ、惚れちゃうよ笑。」
M「やめろって。体の関係だけならいいけど、俺はまだ男と恋愛はしたくない。。自分がバイセクシャルなのはもう何となく分かってるけど気持ちまでそうかはわからない。」
Mのどこがいいって、不器用なのに正直なところかな。あんまり自分をあからさまに表現するやつじゃなかったから、たまに言う言葉は逆に真実味に溢れてる。
(そう、最近気づいたんだけど、Mは俳優のEric Mabiusにどことなく似てるかもしれない。惚れかけている俺の目玉の所為かもしれないけど、Mは結構男前だ。話がまた逸れた)
森の中をひた走る。
沈黙も何となく心地いい。俺は厚かましいとは思いつつ、ギアに置いてあるMの手にそっと自分の手を重ねてみた。
Mは一瞬驚いてこっちを見たけど、また正面に視線を移すとふっ、と微笑んだ。
不謹慎。不謹慎だけど、そのMの笑顔にもう俺の頭の中は半分やりたいモードに切り替わってしまった。
俺はそっと手をどかすと、自分の膝元には戻さずに、Mの腰にそっと滑らせて股間の方へ移していった…。