二学期になると話す内容は少し発展したと思う。
「射精ってどんなもんなんですか?」とか「この前友達の家で外人物を見たら気持ち悪かったです」とか。中学生なんてこんなものだろう。
2学期には、こいつら二人を犯すところを思い浮かべてヤッていた。
その度に俺は自己嫌悪に陥った。部の先輩として慕ってくれているあいつらを裏切っているような気持ちだった。二人の笑顔を思い浮かべると、一層気分が沈んだ。
そんな日々が、秋の風と共に過ぎ冬休みとなった。
俺が住んでいるところの冬は北海道ほどではないが、めちゃくちゃ寒いし、雪がウザくて自転車は乗れないし、ボーっと歩いていると滑って大コケするし。
だから俺は冬が嫌いだ。
他の部員よりも早く来て個人練習するのが日課だった。
この日は、いつも以上に冷え込んでいた。
かじかむ手にハァと息を吹きかけるが気休め程度にしかならない。
俺はいつものように体育館倉庫へ行き、ボールを持っていこうとしたが、ボールは一つもなかった。ふとコートのほうを覗くとボールは出ていたが、誰一人としていなかった。
まぁそのうち誰か来るだろうと思い、いつも通り準備運動をしてシューティングを始めた。
その日のことは今でもよく覚えている。
シュートの調子が良かったこともあるが、それ以上にその日起きたことが俺にはとても印象的だったんだ。今でもあの時のことは鮮明に思い出せる。