ほとんど日が暮れて、薄暗い辺りを街灯が照らしてる。
「でも僕びっくりしました。まさか渡辺先輩から誘ってもらえるなんて思ってなかったので…」
「え?どーゆー事?」
「いやー、だって渡辺先輩はバスケ上手いし、カッコいいし、僕なんか眼中に無いだろうなって。それに、あんまり後輩と喋ってるの見たこと無かったんで…」
「いやいや!俺全然そんなんじゃないから!」
「えー、でも1年はみんな言ってますよー。渡辺先輩が2年生で一番上手いって。」
「そっかなー?まぁ壮介も結構良い線行ってんぞ?」
「いや、僕はまだまだですよ。でもいつかは渡辺先輩みたいになります!」
やっぱ可愛いなーとか思いつつ、壮介にそんな風に思われてるのが意外だった。
「先輩ってやっぱり優しいんですね。」
「は?何それ」
「いや、結構恐がってる奴多いですよ(笑)」
「え、マジか(笑)まぁナメられるよかマシかー。」
「そうですね!先輩、僕の家ここ左なんでここで失礼します。あの、明日も一緒に帰って良いですか?」
僕はもちろんOKして、壮介を見送った。
僕は確信した。壮介のことを本気で好きになっている。
こんな気持ちになったのは初めてだったからだ。
相手も満更では無さそうだし、これは絶対に恋人同士になりたいと思った。