電車の中は混んでいた。
俺とコウスケは流されるように乗り込み、窮屈を耐えたが、次の停車でさらに人が乗り込んできて、ますます窮屈になった。
俺は反対のドアに寄りかかり、コウスケが俺の前にいるという形になった。
いつもはうんざりする窮屈感も今日は許せた。
「わりぃな、ジュンキ」
この混雑のせいで、俺とコウスケは密着してしまうのだ。
コウスケは申し訳なさそうに、でも少し楽しそうに俺にそう言った。
背の高いコウスケの首元に俺の鼻がくるから、さっきのシーブリーズで酔いそうだったけど、それにもすぐに馴れた。
少し手を動かせば、コウスケのアソコを触れるのだが、それは絶対に許されないことで、そんなことを考えてしまう自分が情けなかった。
ただ、もうすでにこの密着度で俺は満足していた。
コウスケの胸や太ももを俺は感じていた。
「うわっ」
突然俺は自分の太ももが揉まれるのを感じた。
俺は変人がいるのかと思って周りを見渡した。
コウスケを見ると、クスクス笑っている。
「触ったろ?コウスケ!」
俺は不意を打たれて動揺。俺が逆に触られるなんて思ってなかったから。
「おん。軽く揉んだ(笑)ジュンキ感じすぎだろ?(笑)」
「は?感じてねぇし。ビックリしただけだし」
「太もも揉まれて感じる奴は毎日オナニーしてるっていう言い伝えが(笑)ジュンキ、そうなんか?(笑)」
コウスケはケラケラ笑い出した。俺はむきになった。
「は?そんなにやってねぇし!最近なんかほとんどやってねぇわ!だいたいそんな言い伝え…うわっ」
また揉まれた。今度は反対の太ももを。
コウスケは必死に笑いを堪えている。
俺は恥ずかしくて顔が熱くなった。そして黙った。
「なぁ、ジュンキ。わるかったって(笑)もうしません。あと言い伝えも信じま…うおっ」
俺は笑いを堪えた。今度は俺が反撃した。コウスケの太ももを揉んでやった。
「ジュンキ、お前。それは卑怯やぞ(笑)」
「感じてんなよ!(笑)オナニーもほどほどにしとけよ(笑)」
「うるせぇ(笑)そんな言い伝え信じんなや(笑)ジュンキなかなかやるなぁ」
そう言って、俺とコウスケは顔を見合わせて笑った。
そんな感じで俺らは会話の途中に何度かそれを繰り返して、お互い感じないように我慢しながら、満員電車を満喫した。
それにしてもコウスケの太ももは意外と柔らかかった(笑)