帰りの電車の中、名刺をずっと眺めていた。
良く周りからモデルっぽいとかモデルやんなよって言われても俺にモデルなんか出来るはずが無いと聞き流して来たがいざスカウトされるとちょっと意識してしまう…
(俺がモデルか…俺でも出来るんかなぁ!?)等と悩んでる内に降りる駅に来たので名刺を財布に突っ込み急いで降りた。
しかし、それからしばらくは何もなく、スカウトの事なんて忘れていた。
ある月の第2日曜日。友達と原宿に買い物に来ていた。
買い物を終え帰ろうと表参道を駅に向かって歩いてるといきなり背後から
「すいません!!」と声をかけられた。
後ろを振り向くと
?「突然すいません。〇〇という雑誌でスナップ写真を撮ってるんですがあなた方を撮らせて頂けませんか?」
と言われ友達と顔を見合わせ撮って貰う事にした。
撮られてる時はやはり恥ずかしく、撮り終えた後もボーっとしていた…
ありがとうございましたとカメラマンさんと別れた後、また駅に向かって歩きながら考え事をしていた。
実はスナップを撮られた雑誌と前にスカウトされた事務所は同じ所だったのだ…またモデルの事を考えてしまった。
友達「…いっ!!おいっ!!聞いてんのか?」
俺「…あっごめん!!考え事してた;;…なぁそれより1つ聞いて良い?」
友達「人の話聞けよ…お前が考え事なんて珍しいな(笑)何なん?」
(俺だっていつも考えとるよ!!)と思いながらも口にはせず
俺「あのさぁ…俺がモデル出来ると思うか…?」と聞いてみた。
友達「どうした急に(笑)…まぁお前はいっつもうっさいし馬鹿だケド黙ってれば格好いいんぢゃん?スタイル良いし独特な雰囲気あるから出来ると思うよ(^^)」
といつもイジってくる友達が珍しく誉めて?くれた。
そして俺は「ありがとう!!んぢゃまたな」と別れを告げお互い反対側の電車に乗り込んだ。
帰りの車内で財布の中から角に折り目の付いてしまった名刺を取り出した…
(よしっ!!やってみよう)と決意をした。