巧「海渡、帰るぞ〜」
学校終了のチャイムが鳴り、いつも通り巧が声をかけてくれた。
《中道の先の沈黙》
朝とは違い巧の横に並んで下校するけど、何を話せばいいかもわからず無言のまま、気まずいことに変わりなかった。
巧「海渡、ちょっと寄り道」
学校から駅に行く途中に細い中道がある。
俺は巧に連れられ中道を5分程歩くと、ブランコと砂場、それにベンチが一つあるだけの小さな公園があった。
俺と巧はその公園のベンチに腰掛け、しばらく沈黙が続いた。
巧はきっと昨日のことを落ち着いて話せる場所を作ってくれたんだろう、けど中途半端に伝えてしまった反面どう話しだせばいいのかわからない…俺は止まったブランコを見て固まっていた。
巧「昨日のこと…一応聞くけど…」
痺れを切らしたのか巧が話しを振り出した。
俺は巧の振りに乗ってもう一度巧に気持ちを伝えることにした。
俺「俺・・・俺、巧のことが好きやねん、ずっと一緒におってくれるとことか、たまに言うてくれる一言一言が優しいし…だから…」
俺はずっと溜めてた気持ちを巧にぶつけた。
また沈黙が続き、公園に重い空気が流れる…
沈黙の中、口を開いた巧の言葉が静まった空気、そして俺の心を震撼させた。
巧「海渡はそれを俺に伝えて、俺とどうしたいん?」