レス、ありがとうございます。まじで暗い話なので、賛否が別れますが聞いて下さい。
妻の上司は、下の名前は正人さん。
妻の事、子供の事をよく面倒見てくれていたと、電話でもよく聞いていた。
正人さんは、34歳、バツイチの子供なし、31で奥さんと別れて1人だった。
「里菜さんはいつも、後少しで私も夫のアメリカに行くの、と自慢気に話していましたよ!待ち遠しかったんですよね、きっと…」
ふと右を見ると、妻が子供を抱き、二人で笑顔でいる写真を見た。義母が撮った写真を、両親が最高の二人の顔だから、と言って選んだ写真。忘れてた。写真を持って帰らなきゃ。
立ち上がろうとすると、凄まじい程のめまいがした。力が出ず、四つん這いになり、苦しくて、やりきれなくて、今までの我慢が破裂して泣いた。
正人さんは何も言わず、写真を持ってきて、「持って帰らなきゃ、ご主人が持って行かなきゃ、二人が一緒に帰るって言ってるみたいに笑ってるから」と、這いつくばった俺を起こして写真を持たせてくれた。
二人が逝ってから泣かなかった。でも限界だった。疲れた。寂しい。苦しい。痛い。会いたい。とめどない思いが溢れる。
正人さんが送ってくれた。一言も言葉を交わさなかった。
家に着き、正人さんに礼を言った。
部屋に入る。妻と子供の匂いがする。ソファーに写真を持ったまま倒れ込んだ。
俺はこの先どうしよ、失うものはもう何もない、自分も二人の後を追うかなぁと考えたりした。
天井を見上げた。何分か何時間かわからないが、無になっていた時、何度もチャイムが鳴る。
心配した両親か、義母かと思い、独りになりたくて無視していたら、ドンドンとドアを叩き出した。ウルサい。モニターを見た。
正人さんだった。