続き
そんなある日、Sさんと一緒にしていた仕事が終わりを告げ、Sさんは他の社に移転することが決まりました。
「毎日、Sさんがもうすぐ離れ離れになるんだね」とSさんが寂しそうにつぶやきます。自分だって、Sさんがいないと寂しいです。同期がいるのといないのでは、モチベーションが違いますし、素直にSさんと話していて楽しかったですから。
いつものようにお昼を食べに行って、のんびり公園でコーヒーを飲みながらたわいもない話をした。
愛しいようにSさんが自分の頭を撫でます。
恥ずかしいんですけど、とても落ち着きます。
「そろそろお昼の時間終わりますね。」
「もどろっか」
自分たちは会社に帰りました。
途中、「手が冷たい〜」っと自分が言うと、Sさんが自分の手を握ってコートのポケットに入れてくれました。
「右手は我慢な(笑)」と、そう言いながら微笑むSさんに、胸がきゅんとしました。
会社はビルの8階にあるので、いつもエレベーターで上がります。珍しく他にエレベーター待ちの人が居なく、二人でエレベーターに乗りました。
ドアがしまった瞬間。自分は急にSさんに抱き寄せられました。
「どうしたの?」
「離れる前に・・・もう・・・我慢できない」
「!」
Sさんが優しく俺の唇を奪いました。だれかが乗ってくるかもしれない。8階についてしまうかもしれない。時間が長く感じます。
でも・・・そんなことより。今は俺もSさんとキスがしかくなりました。夢中でディープキスをしました。その誰かに見つかる可能性がある危険な場所が二人の興奮を高めたのかもしれません。
「ポーン」
エレベータが8階に着きました。あわてて服装などを直す二人。
「ご・・・ごめん」
「うぅん、平気」
胸の高まりが収まらないまま、自分たちはいつものオフィスに帰りました。
自分はしばらくドキドキが納まらず、Sさんと目が合うだけで体が熱くなってしまう。
自分はふと思った。
自分はSさんのことをどう思っているのだろう。
好き・・・なのかな。やっぱり。
そう考えていると、携帯にSさんからメールが届きました。
この先が気になる人がいたら、続きます。
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