のっちさん、幸せで良かったね〜。遠距離は大変だけどガンバレ!yukiさん、その後学校及び好きな人とはどう?コノヤローはないじゃん笑。加藤ローサさん、俺は乙女じゃないね〜。どちらかっていうと『ヤサ男』!U2さん、俺ってね、想像してニヤける事が多いみたい。電車の中で窓に写った自分の顔が笑ってるのに慌てる事があるんだよ〜。結構『危ない男』!
晴れた日の朝は寒い。年間を通しても一番寒いこの時期、放射冷却によりさらに寒さが増す。
意外に早く目覚めてしまったが布団の中で身体を丸め暫くは出るのを拒んでいた。
但し、考えてみれば俺が18年間住んでいた田舎の方が都内に比べ間違いなく10℃くらい気温差があるわけで、今年からここに住む事を考えるとその点だけは少しだけ楽になるとも思える。
『桜も早く咲くんだろうなぁ…。都内の桜が散ったら田舎に帰ってまた桜を楽しめばいっか…。そうすれば長く観賞出来るわけだから…』
田舎との行き来でそんな楽しみ方もあるんだと思うと満更でもない。
『その前に合格発表で桜が咲いてくれないと…』
寒さで萎えた気持ちと、発表が迫った緊張感に押し潰されそうな気持ちを奮い立たせる様に勢いをつけて起きあがった。
午前中はボーっと過ごし遅めの昼食を摂っているとヒカルからのメールが届く。
光『今から行くぜ。バスだから4時くらいには着くよ』
俺『了解!』
ヒカルが来る、それだけで気分も高揚する。何日間一緒にいられるのか、早くもそんな事の心配までしている辺り、自分でもどれだけ待ち詫びていたのかが分かるというものだ。
はやる気持ちを抑えきれず、早々に家を出て終点のバス停で待つ事にする。
温かい缶コーヒーで冷えた手と身体に温もりを与え寒さに耐えていると、ほぼ定時にバスがホームに入ってくるのが見えた。
少し離れたところで降りてくるのを待つが、ヒカルらしく、出てきたのは一番最後だった。
俺を見つけて笑顔で近づいて来る。その顔を見た瞬間、不覚にも何故か目頭が熱くなってきてしまった。
光「おぅ!…って何だよ、その顔はぁ」
ヒカルもそれに気づいて俺の顔を覗き込む。
俺「…別に…寒いから涙腺が刺激されただけだよ…」
面接試験の為にやや短めにしてしまった髪のせいで顔を隠す事も出来ず、俺は俯いて賢明に誤魔化す。
光「…そっか。ゆっくり出来るのは久しぶりだもんな」
周りに悟られない程に背中に回されたヒカルの腕に、いつにない優しい感触を感じていた。