俺は授業どころじゃなかった。心配で心配で、授業のことなど上の空だった。
でも青山君を信じて、俺は待っていた。
ご飯も喉を通らない。
青山君・・・・青山君・・・青山君・・・青山君・・・
青山君のことだけしか頭にはない。
本当に青山君は大丈夫なのか?ヤマトがまた何か仕掛けてないか・・・
俺は信じて待つことにした。
そしていつもの帰りのバスに乗る。
なぜか、青山君はいなかった。
俺は全ての座席を見回した。だが、どこにも青山君はいない。
もしかして先に帰ったのか?そんなはずない。
青山君はいつもこの時間に乗ってくるのに。
俺はメールした。
「どこ?」
なのに、返信はない。
電話をしても、圏外だった。
青山君・・・
バスが高速道路に入る前に、
俺は走って、バスの運転手にかけよった。
「すいません!!!おろしてください!!!!!」
降りることは出来ないけど、あまりの剣幕の俺にびっくりしたのか、運転手さんはドアをあけてくれた。
俺はかけだした!!どのくらい走ったかわからない。
俺はとりあえず、青山君の通ってる大学まで走った。
バスという方法があったが、俺はそんなことも考えずに、ただひたすら青山君のもとへ走った。
11月の寒空に大汗をかきながら、走った。ただ無心で。
だいぶ走ったときに、青山君の通ってる大学が見えた。
いっきに坂をかけのぼる。
すると学校帰りの学生がたくさん出てきた。
俺はその人ごみを掻き分け、青山君を探した。
だが、どこにもいない。
青山君・・・青山君・・・
すると後から
「ケンジく〜ん!何しとるん?」
加納先輩がいた。
俺は凄い剣幕で近寄り
「青山君見ませんでしたか?」
加納先輩は驚いた表情で
「朝までいたんだけどね。どうしたん?」
俺は加納先輩に心配をかけたくないから、すぐに走った。
加納先輩は何のことかわかってないようだった。
俺はいろんななところを探した。
でもいない。
青山君・・・・
俺は泣きそうになった。
青山君に会えないかもしれないっていう恐さで頭がいっぱいになり、涙が溢れてきた。
青山君がいない。
まるで広いデパートで親とはぐれた子供みたいな・・
どこを探してもいない。
青山君・・・
俺はもう一回電話をしてみた。
すると繋がった。
ガチャ
「もしもし?」
青山君だ。俺は嬉しくて泣きそうな声で
「どこ行ってたん?」
青山君から
「悪い。つーかさ・・・・もう俺ら別れようや」
・・・・・・・
別れる?誰と?俺と?
なんで?・・・・・何か嫌われることした?
夢?現実?
俺の頭はパニック状態だ。
俺「な・・何で?」
青山「お前さ、犯されたとか言って喜んでたじゃん。喘ぎ声なんか出しちゃってさ。俺とやるより感じたんだろ?大勢の男らにやられるの。ヤマトのことだって好きなんだろ?」
俺「・・・・マジで言ってるの?」
青山「マジだよ。つーかもうお前のこと幻滅したわ。嫌いになった。マジでキショイし。もう二度と連絡してくんなよ」
ブチ!!!
切られた・・・・
これって夢かな??
何なのかな?夢だったらいいのに
夢じゃないのかな?夢だったらいいのに
俺はその場に座り込んだ。
ショックで何もする気が起こらない。もう暗くなってるのに。
帰らないと。
これは夢じゃないんだね。
俺は何回も夢であってほしいって願って、何回も何回も夢だと現実逃避した。
でも現実なんだ。
大好きな人に嫌いって言われた。
青山君・・・俺は夜の大学内のベンチで座って呆然とした。