のっちさん、いつも早い返信ありがとね。相手はどこ住みなのかな?孝太さん、同期の人でどうやってこっちって分かったの?すごく興味ありますね〜。
夜半過ぎになって俺もそろそろ寝ようかと思っていた時にヒカルからメールが送られてきた。
俺『遅かったね』
光『あぁ、充電するの忘れたまま出かけて電池が切れたんだよ。悪かったな』
とりあえずカズヤからの伝言を伝えてヒカル自身も温泉旅行を了承した。
考えてみれば企画が出たのが10月くらいだっただろうか。半年程経ってようやく実現しそうなところまできた。
光『ところで入試はいつからだ?』
カズヤに伝えた事と同じ内容をヒカルに伝える。
光『なら俺が着いていくよ』
俺『入試の時は相手もしてあげられないし、色々とバタバタするからダメだよ』
光『じゃ発表の時だな。それならいいだろ?』
合格するかしないか分からないわけだしそんなに自信もないのに、とても一緒に合格発表を見に行く事なんてできない。
俺『ダメダメ、緊張してる時の顔なんて見せられないし、しかも合格しなかったら気マズい事になるでしょ』
光『ダメな理由はそれだけなのか?』
俺『??別に他に理由はないよ。ヒカルだからダメって事じゃないからね』
光『なら決まりだな。着いてくから』
俺『ホント辞めて。俺発狂するかもしれないから』
光『ダメ〜決まりだから』
またいつものヒカルのゴリ押しだ。こうなると梃子でも動かないのは分かっている。
俺『ヒカルはどうなの?試験あるんでしょ?』
光『俺なんてヘッチャラさ。内緒にしとこうと思ったけど、実はほぼ決まってるんだよ』
俺『何それ』
光『もう1回目の試験があったんだけど、結果も出たんだよ。結構楽勝だったからな。だからほぼ決まりって事さ』
俺『えっ?なんでそんな事を黙ってたのさ』
俺には初耳だった。思えば自分の事に集中するあまり、ヒカルの進路の事を考える余裕があまりなかった。少しだけ自戒の念にかられてしまう。
俺『気がつかなくてゴメンね。でも決まって良かったよ。じゃ俺も頑張らないと』
光『そうだな。頑張れよ』
ヒカルもカズヤも順調の様だ。俺だけ取り残されるわけにはいかない。
コウとユタカは国立と私立両方を受験する為かなりハードスケジュールだ。ジンもそろそろ試験が近づいてきている。みんながそれぞれの人生に向かって頑張っている。ヒカルとのメールに細やかな温もりを感じながらも、自分自信の気持ちを奮い立たせていた。