メールなんですが…
すごいうれしいんですがすいません。
俺メール苦手なんで。
ホントせっかくなんですけど…。
今までアドレス載せてくれてた人もすいません。
もしかしたら後々
気まぐれで送らせてもらうかもしれませんが…。
こっそりと笑
皆さんイロイロと書き込んでくれているし、ここを使っての交流はもちろんご自由に!
(俺がいうことじゃないかな笑)
みらいは出ていった。
かなたと二人。
俺がしゃべろうとしたら
「かなた…」
かなたがしゃべった。
かなた「俺…。
昨日もここに来た。」
「うん。」
かなた「らいきとおったん?」
「えっ?」
かなた「帰り道で見た。」
そうか。
かなた「家の電気ついてた。」
長い沈黙。
みらいの言葉が頭をよぎる。
みらいは俺のことを好きだったのかもしれない。
そんなみらいが涙を流しながら。
俺のために…。
俺とかなたのために…。
勇気づけてくれた。
俺はかなたを失いたくない。
みらいの言葉があったから今ははっきりそう思える。
好きになるのに資格なんていらない。
自分に正直に…。
でも。
昨日の過ち。
かなたが来ていなかったら。
らいきと一線を越えていたかもしれない。
かなたにそれを隠したままでは。
ホントに俺は最低ヤローでしかない。
昨日のこと。
洗いざらい全部話した。
かなた「へぇ。」
「ホンマにごめん。」
かなたの顔は当然向こうを向いたまま。
かなた「…いいし。
別に気にしてない。」
気にしてない…。
一番つらい言葉。
あきれてるってこと?
もう俺への気持ちがないってこと?
「もう…
俺のこと気にしてない?」
かなたはチャンネルを変えた。
また長い時間が流れた。
かなた「らいきはいい奴やから。」
おまえはそんなに知らんやろ…。
かなた「素直やし…。
やさしいし…。」
前にも同じようなこと言ってたような…。
また始まったんかな?
らいきへの嫉妬。
「かなた。
俺は別にらいきのこと…」
かなた「でも」
たった2語で俺を止めた。
時間を止めてしまうくらいその言葉に力があった。
かなた「俺…。
俺な。
足もう大丈夫やから。
昨日部活行った。
…遅れてるから
残っていっぱい練習した。」
昨日の玄関のレンズ越しのかなたは。
学校のジャージ姿だった。
あんな遅くまで…。
練習を。
かなた「昨日はそれだけ伝えようと思って来た。」
涙が出てきた。
かなた「勉強もがんばる。
ちょっとがんばったら余裕やし…。」
かなたは。
俺が思ってるよりもずっと。
大人になっていた。
ちゃんと考えていた。
かなた「先生に関係なくない。」
かなたの声が少しこもった。
かなた「先生に…
関係なくない。」
昔のかなたとは違った。
かなた「俺…。
素直になれるように。
がんばる。
らいきみたいに…。
素直に。
がんばるから…。」
かなた…。
かなた「俺じゃ…
…あかん?」
かなたの目から涙がぽろっとこぼれた。
俺の顔は涙でグシャグシャになっていた。
純粋で。
キレイな。
かなたの気持ち。
俺は結局じぶんのことしか考えていなかった。
かなたの気持ちを考えたか…?。
俺は最低やって…
1人で。
ずっとずっと悩んで。
かなたのためとか言っといて
結局かなたのことを全然ちゃんと考えられてなかった。
「俺のこと。
許せるん?」
かなた「許されへん。
…好きやから…。」
俺は…。
しっかり反省して。
意地でもかなたを離さないでおこうと思った。
「素直になる…?
かなたには無理やろ。
どんながんばっても。」
かなたはこっちを向いた。
「素直なかなたなんかかなたちゃうし。
前も言ったやろ。
俺は素直じゃなくて生意気なかなたが好きやから。
だからがんばらんでいいって。
素直になんかならんくて…。
今までもずっと…
めちゃめちゃ好きやったんやから…。」
かなたは。
涙を流しながら。
笑顔になった。
俺はその笑顔で。
緊張が一気に解けた。
まだ全て解決したわけじゃない。
でも今まで悩んでたものがどっと体から去っていくような感じがして。
疲労だけがずんと残って。
体が砕けた。
俺はなぜか涙が止まらなかった。
その場で座り込んだまま。
下を向いて。
溢れてくる涙を必死でぬぐった。
かなたが近づいて来た。
かなたは俺の頭を撫でた。
こいつ…。
小さい手で俺の頭を撫でた。
俺はガキみたいに泣いた。
かなた「俺先生のこと嫌い。」
えっ?
かなた「大嫌い。」
かなたは俺の頭を撫でながら言った。
かなた「先生に会いたくない。」
俺は顔を上げてかなたを見た。
かなた「一緒にいたくない。」
俺の頭を撫でるかなたは笑顔だった。
かなた「ずっと一緒にいたくない。」
素直じゃないかなた?
かなた「ずっとずーっと。」
俺が好きやっていった
素直じゃないかなた。
涙がさらに溢れてきた。
俺はかなたの胸に頭をうずめた。
かなたの胸で泣いた。
かなたの小さい体は
やさしく包んでくれた。
この中学生のガキに…。
俺はかなたを守るとかえらそうなこと言ったけど。
今はしっかり
守られて
支えられてた。