僕は男の子の肩をくんで
『次の駅で一緒に降りるぞ!!!』
そう言って男の子の背中をさすってあげた
おっさんはキョトンとしていたけど、痛い目にあわしてやろーと思って携帯の写メを見せてやった
『あんたがした事全部みたから!痴漢は立派な犯罪だし、ましてや小学生の男の子にするとかお前頭おかしーだろ?次一緒におりろよ!逃げたら写メ警察に見せるから!服装も車両も把握してるし』
おっさんは黙ったままうなずいた!
もちろん回りの客は気が付いてないと思うし、おっさんなんてどうでも良かったけど、ずっと震えてる男の子の気持ち考えるとすごくムカついて、どうにかしなきゃと思った…
プシュー…
と、ドアが開くと同時に男の子の手を握って、おっさんの袖を引っ張りながらトイレに向かった。トイレの前まで来てから男の子に
『俺は何もしないから安心して☆少しだけここで待っててな!入ってくんなよ!?』
そう言うと
『は…はい』
と小さく頷いてくれた
おっさんを車椅子のトイレに連れ込むなり僕は胸ぐらをつかんでやった
『お前みたいな人間最低だ!相手が何もできないと思って…あんたの人生なんてどーでもいいけど一発殴らせろ!それから警察な!』
こいつを殴れば自分も痛い目に合うかもしれないけど、その時はどうでも良かった…おっさんは
『俺が悪かった…見逃してくれ!』
そう言うと財布からお金を取り出した
『どーせ金目当てだろ?あの子の分も渡すから…写真を消して今日の事は忘れてくれ』
そう言って僕に金を握らせた。今でにないくらいムカついた!バイトの僕にはたしかに大金だった…けど金で解決しようとするこの汚いおっさんを許せなかった…
金を投げ返して胸ぐらをまたつかんだ!
『とことん最低だな?もうどうでもいいから、一生立てなくしてやる!』
そう言って殴りかかろうとした!その時
ガチャ…
戸が開いた…警察かもと一瞬ドキッとしたけど、そこにいたのはさっきの男の子だった
それと同時におっさんは僕を押して走って逃げた!追いかけようとしたら
『もういい!!僕は大丈夫です…』
男の子が言った…
『よくないし!我慢する必要なんてないしあいつが悪いんだ!大体入って来るなって言ったろ?』
少し口調が強くなってしまった…後悔した時には男の子は涙目になって…
『僕は大丈夫です…僕…叩かれたかと思って…それで、回りに駅員さんいなくて…怖くて…だから開けちゃって…』
そう言って泣いた
『ごめん…俺べつに怒ってないから…もう追いかけないし。だから泣きやんで』
そう言って頭を撫でてあげた……