続き……
とりあえず,先生には車で家まで送ってもらった。
かなり気まずくて,無言。その空気が耐えられなかった。
ちなみに、あまり詳しくは言わないけど,一人暮らしだ。
というか下宿している。
下宿といっても,管理してくれてる人は別の家に住んでるから、その人が所有してる空き部屋を貸してもらっている状態だ。
そして家の前に着いた。多分5分くらいだったが、かなり長く感じた…。
先生『明日また話すから』
自分『ハイ,すみませんでした。』
そう言って先生と別れた。
次の日学校に行って,昼休憩に数学教員室へむかった。。
自分『失礼します。』
恐る恐る入るものの,先生は誰1人おらず、有田先生もいなかった。
自分『あれ?失礼します……』
とりあえず部屋に入って,先生の席のところで止まった。
先生の机の上に,そのままのカタチの1万円札が置いてあった。
その時僕は何を思ったのか、周りを確認してゆっくり万札を手に取り、ポケットに入れた。
そして放課後にもう一回来ればいいや,と思って急いで部屋を出て教室に戻った。
――放課後――
いつも一緒に帰る友達のHとSに謝り,先に帰ってもらってから数学教員室に向かった。
自分『失礼しまーーす』
今回は先生が3人ぐらいいて、有田先生もいた。
テストの採点をしていたらしく、有田先生に待っとくように言われた。
先生『ついて来い』
そう言われてわざわざ実験室とか音楽室しかない校舎へ移動して、第1会議室(先生がたまに使うぐらい)に入った。
自分『まだ担任に言ってないんすね』
先生『まず俺の話を聞け』
自分『はい…』
先生『お前は家が事情があるししょうがないとも思ったんだ』
自分『本当ですか?ありがとうございます』
ありがとうございます、と言って軽く頭を下げた時に,先生が何かを机の上に置く音がした。
自分『!!???』
なんとそろは写真で、今日の昼に僕が先生の万札をポケットに入れてる瞬間の写真だった。
自分『あっ…これは………』
先生『どーゆー事だぁ?これは』
かなり焦った。退学という文字が頭をよぎった。しかし,それと同時に,あの時教室には誰もいなかった事を思い出した。
自分『返しますんで、今。』
先生『そーゆー事じゃないだろ… 退学かもな〜』
自分『こんな事をするつもりじゃなかったんすよ。本当にすみません。』
__続く__