俺は高3で受験生です。
背は低くないんだけど、童顔なせいか「かわいい」とよく言われるます。
でも俺はこの甘えた顔つきが嫌だったんです。
親に勧められて、予備校の夏期講習に行った。
初めてなのでどこの教室行けばわからなくて、廊下で立ちすくしてまった。
すると後ろから聞き覚えのある声が。
「しゅんすけ?あ、やっぱりしゅんすけだ。お前もしかして夏期講習?」
振り向くと1つ上の高橋先輩。
先輩とは小中高と同じ学校だったからけっこう仲が良くて、俺に良くしてくれてた。
「あ、高橋先輩!先輩ここの塾だったんすか?俺は今日から夏期講習です」
先輩は大学落ちて浪人しているというのは聞いていた。
「残念ながら俺らはここで勉強してんの。お、そうだ。こいつはジュン」
見ると隣に背の高くて、筋肉質でかっこいい人が俺に会釈してきた。この人がジュン先輩。
「あ、えっと、しゅんすけです」
俺はその人に見惚れてしまった。
高橋先輩が俺とジュン先輩の紹介をしてくれた。
ジュン先輩も1つ上で今は浪人中。
高校のときはずっと野球に明け暮れていて、頭はあまり良くないらしい笑
この予備校で高橋先輩と仲良くなったそうだ。
「しゅんすけ君はどこ目指しとん?」
ジュン先輩が聞いてきた。
「しゅんすけでいいですよ!えっと、A大学です」
「そうか?じゃあ俺と同じじゃん!俺もしゅんすけと同じA大学志望!」
ジュン先輩は笑顔で言った。
「ならお前ら同じ授業じゃね?ジュンはA大対策だよな?しゅんすけは?」
高橋先輩ナイス!
「あ!俺もそれです!けどどこの教室かわかんないんですよ」
俺はジュン先輩と同じ授業だと知ってめちゃめちゃ嬉しかった。
「そうなんだ!なら一緒に行こうや!A大対策はB2教室。じゃあな高橋、俺らこっちだから」
そう言って、ジュン先輩は俺の肩に腕を回してきて強引に歩き出した。
俺はドキドキして顔を赤らめながら、違う教室に向かう高橋先輩に会釈して、なんとかジュン先輩のペースについていった。
教室へ向かう途中、ジュン先輩が言った。
「よろしくな!ジュンって呼んでくれ!こんな場所で、先輩って言われるのも恥ずかしいじゃん(笑)敬語とかもいらんから」
ジュン先輩はまだ腕を回したままで、俺らの距離は近すぎる!初対面なのに!
「あ、そうすか?けど俺としてはやっぱ先輩なんで、敬語じゃないと違和感が」
俺はそう言うと、恥ずかしくてうつむいた。
するとジュン先輩は俺の顔を覗き込んできた。
「うーん、まぁタメって感じでもないよな。しゅんすけってかわいい顔しとるし。弟にしたいわ!(笑)」
「なんすか!それ(笑)しかも急に顔を覗き込まないでくださいよ(笑)」
「顔赤くなってるって(笑)ますます弟にしたいわ!」
俺はジュン先輩のペースについていくのがやっとだったけど、内心では何か期待していた。
つづく