なんだか急に気まずくなってしまって、輝は「おやすみなさい」と言って、庫裏へ帰ってしまった。
俺は「あ〜ぁ、せっかく楽しかったのに…」と雑誌をほおり出した。
次の日、朝、輝と顔を合わせたが「おはよう」の一言だけだった。
「嫌われた!」俺は思った。
単語の暗記に疲れたので、俺は寺を散歩していた。
すると、寺に続く階段をジャージ姿の輝が上がってきた。
輝は俺を見ると、片手を挙げ「ただいま」と言った。
夕陽を受け汗で光った輝は爽やかで美しく、俺は昨夜のことがよけいに残念だった。
寺に来て4日目だった。
住職夫妻と妹が他の寺の法事の手伝いに泊まりがけで出かけた。
今夜はこの寺には、輝と俺だけになる。でも、あの事が気になって、輝の顔もろくに見れない日が続いてた。
奥さんが作ってくれた夕食を一人食べ、数学の問題を部屋で解いていた時だった。
輝が久しぶりに部屋を訪れ、俺を自分の部屋に誘ってきた。
俺は「いいの?」と聞くと、輝は「もち!喜んで」と言った。
輝の部屋へ行くと「今日は誰もいないから…」と輝はビデオのスイッチを押した。
そこには競パン姿の男たちが、海辺でふざけあった後、全裸で抱き合っていた。
俺の股間はどんどん大きくなっていき、そんな俺を輝はうれしそうに見ていた。
そして輝は「翔も水泳やってんだろ。体見せて。俺、翔を初めて見た時から、翔のことばかり考えていた」と輝が俺のTシャツに手をかけてきた。