俺が高校3年の時、隣の県のあるお寺を学校から紹介してもらって、受験勉強の合宿に行った時のことだ。
合宿前は3人で行くつもりだったのに、結局、俺一人で行くことになった。
寺は大きく、住職は庫裏から離れた、静かな一室を使わせてくれた。
着いた日の夕食時に住職の家族の紹介があり、輝という同じ歳の長男がいた。
「こんな田舎に何でこんなかっこいい奴がいるの?」と思うぐらい、きれいな瞳で歯の白い印象的な奴だった。
俺は、何故かドキドキして「よろしく!」と頭を下げたら、輝は下を向いて頷いただけだった。
食事が済んで、部屋でホモ雑誌を見ながらごろごろしていると、「翔さん、入っていいですか?」と輝が訪ねてきた。
俺はびっくりしてあわててエロ本を隠し、部屋に輝を招き入れ、いろいろな話をした。
輝は勉強合宿に俺らが来ることを楽しみしていたことや陸上部に所属していることを話し、俺もここへ来るいきさつや水泳部のことを話した。
輝はさすが短距離選手らしく、高校のネームの入ったランニングから締まった胸が見え、濃い腋毛ものぞいていた。ハーフパンツからはすらりと長いきれいな脚が伸びていた。
「さっき、何を見てたの?」輝が聞いてきた。
さすがにホモ雑誌とは言えないので、「日本史の参考書だよ」と答えた。
「俺も日本史大好きなんだ。どこの参考書?」と言いながら、雑誌を隠した本のあたりを見にきた。
俺はあせって「そこじゃないよ。ここ、ここ」と言ったが、輝は英和辞典の下のホモ雑誌を見つけた。
「あっ、それはね…、連れがね…、ここに来る前にね……」俺は訳のわからないことを言ったが、輝はじっと雑誌の表紙を見ていた。
「翔君も…」輝と俺の視線があい、俺は思わず眼を伏せた…。