久しぶりに見た彼は、昔と比べて頼もしくなっていた。
「背……のびた。僕よりかちっこかったのに……」
「しかたねぇじゃん。成長期だし」
紙パックのオレンジジュースを片手に、僕はふてくされていた。
彼は大きくなっていた。僕よりも。僕はというと、多分あの別れの日から殆んど身長が変わっていない。時が止まったかのように。
小学校の卒業式、僕らは別れた。
保育園からの幼馴染みだったのに、彼は家の都合で引っ越したのだ。
そして再会できたのは高校1年。そう、今。
昔から一緒にしていた空手は、今でも続けているそうだ。でも、僕は小学校卒業のときに辞めた。
小学校のときは僕の方が強かったのを覚えてる。
あの頃と比べたら……多分彼のほうが今は強い。風の噂で、彼がどこかの県の代表になったのを聞いたから。
ひ弱そうだった子が、次に会ったとき、雄臭い感じの運動少年になっていたら、ちょっとビックリしてしまう。
空白の3年間は、相当濃いものだったのだろう。