ふと、会話が途切れ重い沈黙が流れました。
最初の明らかな異変に気付いたのは、彼ではなく、俺でした。
「スーーッ。スーーッ。」
鼻息が聞こえてきたんです。
それもありえない方向から。
風呂場から聞こえてきたんです。
普通だったら、どんなに鼻息が荒い人でも、風呂場からの鼻息は聞こえないと
おもうのですが、その時は不思議に鼻息が風呂場からすごいはっきり聞こえたんです。
ベッドの横に座ってる友達にふと目をやると、既に冷や汗びっしょりになり、
鼻息の聞こえる風呂場の方向を凝視していました。
その姿を見て、これは空耳ではないと確信しました。
ひょっとしたら、掃除のおじさんが寝ちゃってるのかもしれない。
そうも思いました。
そのくらいはっきりリアルに聞こえたんです。
もうエッチどころではありません。
部屋中の電気を全部つけて明るくしました。
しかし、今思うと不思議なのですが、その場を出ようという考えはなぜかその時は
二人ともありませんでした。
もう逃げられないと思うように・・。
ふと部屋を見渡すと、壁にちょっと不気味な絵が。。
どんな絵かは、ホテルがバレちゃうと困るので言いませんが。。。
お決まりな展開だと、絵の裏にお札がはってあるのがお約束ですが。。
俺は恐々絵の裏を見ようとしました。。。