俺があいつと出会ったのは大学1年の時。
今思い出してみてもあの出会いは不思議な感覚だ。
入学式、俺は高校まで勉強中心の生活だったから、
その時はメガネかけたある意味オタクって感じだった。
知り合いもいない寂しい入学式。
あいうえお順に座らされた座席隣は、女子と女子。
あまりしゃべる気にならなかった。
まぁ、男子が隣にいても
それはそれでしゃべりにくいんだけど。
女子達がすぐに打ち解けあって、
ざわざわし始めていた。
丁度前の席は男子で、
隣の女子とちょっとしゃべっている感じ。
声かけたいなぁと思っても
体を動かすとちょっと迷惑かなぁと遠慮していた。
その時だった。
前の男子は何かに気づいたみたいに
くるっと俺の方を振り向き、
俺の目を見つめて来た。
心臓の鼓動がぐっと高くなった。
あんなに大きく真っすぐな瞳に
見つめられたことなんて無かった。
矢で射抜かれた感覚…だろうか
そいつはちょっとニンマリとした笑顔を浮かべたら、
またくるっと前へ向き直した。
俺は何か異様に恥ずかしくなって、
メガネをケースにしまった。
それが須賀俊太郎との最初の出会いだった。