「泣いてる?」
「もう少しうまく話していれば号泣したんじゃないの?ヘタクソな演説」
「何だ、つまんないの!」
3人が笑いながら俺を下から覗き込む。
俺「…ったく」
俺は顔を背けながら呟く。
光「ハイよ、そこまでね。ここからは俺だから」
ヒカルが近づいてきた。
光「3匹はさっさと帰れ」
仁「なんだよ!」
俺「…でも俺今まで通りみんなといたいし」
2人の言葉を無視して思った事をぶつける。
仁「そうそう、それなんだけどさ、俺達は警察沙汰1回、学校も謹慎1回で、もうこれ以上ワルサも出来ないから、これからはシュウがいてくれても大丈夫だし、いてくれたら悪いことも出来ないから一石二鳥、ん?一挙両得?なんかそんな感じで(笑)!」
ジンの笑顔には救われる。
俺「…ありがと」
仁「じゃな!」
そう言って3人で部屋を出ていく。入口でジンが振り返ってヒカルに目配せしたように見えた。
部屋にヒカルと残った。ヒカルが抱きしめてくる。今度は逃げずにヒカルの肩に顔を埋めた。
光「おまえ昨日ここから出て行っちまうし。あれから1日しか経ってないけど長かったな」
俺「うん」
光「今日ウチに来る?」
俺「俺ン家においでよ。試験勉強って言えばヒカルなら大丈夫だし」
光「おぅ!分かった。じゃ荷物を取りに家に帰ろう」
とりあえずは2人でヒカルの家に向かう事になった。
ヒカルは最近自転車通学を始めた。今日も自転車だったので、2人乗りしてヒカルの家に向かう。
しばらくはお互い黙ったままだった。
ヒカルの広い背中を見ながら俺は考えていた。
『ジンの話が心に響く…。3年間のつき合いかぁ。学校に来れば毎日みんなに会えるって思っていた。いつもその場の楽しさだけを追いかけてた。でもヒカルとの事も終わりがくる日があるのだろうか…』
ちょっと切なくなる。
光「…シュウ?何か考えてるのか?」
俺「うぅん、何も」
光「そっか。ならいいけどさ。俺はずっと一緒にいるからな」
俺「うん」
それきりまた無言になる。同じ事を考えていたとも思えるヒカルの会話にドキっとした。
そのまま家につき、ヒカルは荷物を持ってすぐに出てきた。
俺の家まではバスで向かう事にする。いつもより時間が遅かったせいか、バスに乗り込んだが客の数も少ない様だ。2人で一番後ろの席に座る事にした。
光「俺達あとどれくらい会えるんだろうな」
やっぱりヒカルもさっき俺が考えていたのと同じような事を考えている様だ。
俺「そうだね。でもまだ知り合ってそんなに経ってないよ?ジンの話を聞いてて思ったんだけど、ヒカルが俺と一緒じゃない時でも、俺の事を考えてくれてるってわかったし、そんな奴放っておくわけにいかないからさ(笑)。今まで以上に2人でいる時間を作りたいよね」
光「そうだな」
そう言ってさり気なくヒカルが手を握ってきた。いつのまにか自然にこういう事ができるようになっている。
光「今まではさ、俺は女ともできるわけだし、おまえが『男を好きになれる』って言ってた時から、俺とは少し違うかなと思ってたんだよ」
俺「ヒカルは俺以外の男は無理?」
光「無理無理!今でもあり得ない。だからさ、今まではとりあえずシュウさえ気持ち良くさせればいいと思ってたし、自分ではあまりしたくなかったんだ」
俺「エッチをって事?」
光「うん」
心の中で引っかかっていた話をヒカルが切り出した。
光「なんかうまく説明できないけど、そこまではしたくなかった。男にイクところを見られるのも恥ずかしいしな。でももうそんな事はどうでもいいよ。今は図書館で話した時以上の気持ちなんだよ。あの時なんて目じゃない。それに時間がないだろ?今からはシュウを楽しませるだけじゃなくて、俺も楽しませてもらうからな」段々とヒカルの顔が緩んでくる。
俺「お手柔らかに頼むよ」
光「そんなわけにいくかよ。今までの分を取り返してやるぜ」
少し怖くも思ってしまい、俺の笑顔も少し引きつってしまう。
バス停に着き、コンビニで買い物をしてから家に歩いて向かった。
家に着くと母親が食事を用意してくれていた。家族みんなは食べ終わっていたので2人で食べる事になる。
相変わらずヒカルは母親の前で愛想がいい。
光「うん!おいしいです」
母親とニコニコ話している。
今日は妹は塾へ、兄貴は友達ン家に泊まりって事で誰もいないからヒカルとゆっくりできるわけだ。
食事が済むととりあえず別々に風呂に入る事になり、まずは俺から、そのあとヒカルが入った。
ヒカルも風呂上がりにTシャツと半パンに着替えて寛いでいた。
2人でベッドに横になると、早速向かいあって抱きしめ合う。ただただじっと抱きしめ合っていた。
ここのところ色々あってあまり眠れていなかった。温もりが心地良過ぎてウトウトしてしまうが、ヒカル自体も抱きしめながら目を瞑って眠っている様に感じられた。
どのくらい経っただろうか、目を開けると隣でヒカルが俺の顔をじっと見ていた。
光「寝言言ってたよ」
俺「なんて?」
光「内緒」
ニヤニヤしながら指先で顔に触れ、鼻や目をなぞる。それから前髪を左右に分けて額にキスをしてきた。
光「髪伸びてきたな。もうちょっとか」
髪を撫でながら長さを確かめている様だ。
しばらくして、ゆっくりと優しくキスをし始める。なんだか今日はいつもよりも常に優しい雰囲気が感じられている。
光「シュウの家に来て、食事食べて、家族と話をして。すげぇ落ち着くな。それで誰にも邪魔されずに2人でいられるし」
俺『そっか、その優しさが素直に気持ちとして現れてるんだ。激しい時のヒカルもいいけど、こういうヒカルもなんだかいいな』
キスの味を確かめながら頭の中でそう考えていた。
しばらくしてゆっくりとTシャツの中にヒカルの手が入ってきた。乳首を探して手が動く。ようやくそこを見つけると指先でちょっと強く摘んでくる。
俺「…くぅ」
身体が自然にピクっと反応する。
光「相変わらず反応がいいな、ここは」
俺「…ヒカルがエッチだからだよ」
光「無駄口だな」
強引にキスで口を塞いできて俺に喋らせないつもりだ。
口と胸、両方を攻められ、快感に少し背中を仰け反らせてしまう。その隙に一気に俺のTシャツを脱がすと、ヒカルも上を素早く脱いだ。こういう動作やタイミングはかなり手慣れている。
ヒカルはさらに舌で右の乳首を攻め出してきた。左乳首は空いた手で痛ぶられてしまう。舌の動きが激しくイヤらしく乳首に絡み着く。
俺「うっ…くぁ」
俺は思わず腰を浮かすように悶えた。それに反応してまた強く攻められる。
光「淫乱だなぁ。こんな敏感な奴見た事ないぜ」
腰を浮かせた瞬間に背中に手を入れ俺の上半身を起こし、胡座をかいた自分の上に乗せると、乳首をさらに攻めだした。
左手を腰に回し俺の身体を支え、右手は後ろからパンツの中に入れてくる。割れ目をなぞったり肉を掴んだりと乱暴さも感じられる。
光「後でここもやってみようぜ」
後ろの穴を軽く指先で触ってきた。
ヒカルは悪戯でも楽しむ様な目で俺を下から見上げていた。
そんな動きや言葉で少しずつヒカルのペースに嵌まっていってしまう。これがヒカルのパターンだ。
上に乗せた俺の身体を器用に動かし下を脱がし全裸にされると、背中で両腕を固定された。これもヒカルの大きな片手で充分だ。空いた手は尚もケツを弄んでいる。さらに上半身を口で攻められていく。いろんな部分で息をつかせない攻めが続いた。
俺「あぁぁ…すごぃょ…っく」
光「ほら、いい声が出てきたじゃん。こんな身体してイヤらしいしな」
一旦俺を下ろして自分も全裸になると、ベッドの上に立ち俺の頭を強引に掴んだ。
光「しゃぶれよ」
一言乱暴に言い捨てる。
俺は黙って足の間に膝まずきながらヒカルのモノを吸った。半勃ちだがそれでもかなりデカい。口の中で次第に膨れ上がっていく。
ヒカルは乱暴に髪の毛をつかみゆっくりと腰を振り出した。
俺『この為に髪を伸ばせって言ったのかな…』
苦しさに耐えながらもそんな事を一瞬考えていた。
光「あぁ、すげぇいい…ぐぁ」
段々と腰のスピードが増してくる。
光「あぁ…チョー気持ちいいよ」
いきなり力づくで俺を押し倒し、俺の頭の上に反対側を向いて跨ぐと俺のモノを咥え出した。俺もヒカルのモノをしゃぶるが、ヒカルの攻撃に思わず口から離れてしまう。
俺「んぐ…むぅ…あぁ」
ヒカルはそんな俺に構わず、腰を沈め俺の口に強引に突っ込み腰を振る。
堪え切れず再び吐き出し、ヒカルの攻めに我慢しながらも陰毛のほとんどない玉を吸ったり舐めたりした。これにはヒカルも思わず仰け反った様だ。
光「マジヤベぇよ」
再度俺を抱きしめ、足を伸ばして座り、足の間に向かい合わせで俺を座らせる。そして2本のモノを掴みシゴき出した。
光「あぁ…これ…これがすげぇ好きなんだよ」
俺の先走りを潤滑油に激しくシゴく。
俺「ああぁぁ」
光「あぁ…裏スジがスゴ過ぎるょ」
右手で強くシゴき、左手を強引に俺の首に巻きつけ、濃厚なキスをしてくる。
それに対し俺はヒカルの両乳首を強く触る。2人ともキスをしながら声にならない呻き声を出していた。
そのまま俺を押し倒し、握る手を強くした。
俺「ヒカル…んぐ…も、もう我慢…できない、やめて…」
光「俺もだよ…このままさ…」
俺はあっという間に限界に昇りつめていった。
俺「もうダメ…ヒカル…ィ、イクっ!」
頭が真っ白になったその瞬間、身震いする様にして俺は放出した。
ヒカルの激しいシゴきに何回も出捲り、なかなか止まらない。
俺がヒカルの顔を見るとヒカルも限界の様だった。チラっと目が合う。
光「んぅ…バカ、見るなよ、もうイっちまうぜ…あぅ」
そう言うと、仰け反る様にして俺の腹に向って精液を飛ばした。
光「あぅ…うぅ」
小さな叫びとともに初めてイキ捲っているヒカルを、向かい合った俺はじっと見ていた。