ほんとの相思相愛なんてものは現実ありえない。もし、一致するときがあったなら、破裂する位の幸せが心に広がるだろう。『〜好きです。』『〜私もです。』偶然の一致。そんなのめったにないよ。絶対。現実は厳しい。逃げたくなる。だから空を眺める。ただ、『きれいだなぁ。』って。それだけで心が救われるんだ。嫌なことから逃げ出せる気がするんだ。
2006年。春。ほんの数日、一週間にも足らない、破裂しそうな位の幸せと悲しみが、俺にやってきた。
あの夜、シンゴの過ちは、俺を刺激して興奮させてた。夏休みが終わり、二学期になった。シンゴとはあの日からお互い避けてしまうことが多くなってしまった。学校の一階の共通トイレに入る前にシンゴの姿が見えると、目が合い、俺はそのまま回れ右状態。挨拶もなし。という感じになってしまう。でも、家に帰り、シンゴのことで何時間も苦しんで、あの日を悔やみ、あの日をおかずにしてしまう。
「・・・・どうしよ。。。」
そんなことばかり言ってた。学校でも一人が多くなり、シンゴを思う日が多くなっていった。あんなにご都合主義の俺が。だからってほかの奴と知り合いたいとも思わなかったし、出会いも入らなかった。ただ一人で(はぁ〜)とため息をつく。メールだって何を送っていいか分からない。ジレンマに駆られる。
ある日、放課後、俺は公募推薦の問題を特別に顧問の先生からもらう約束で遅くまで残る用があった。
7時。俺は約束も終わり、自習に一段落ついたのでトイレにいった。丁度色々なクラブが終わっていて、バスケ部のユニを見つけた。その瞬間、
「・・・しんご・・・・しんご・・・」
薄く感情に現れた。その後また緊張してきてしまった。シンゴが近くにいると思ったから。
トイレについて、小便しようと中に入ると、一人バスケジャージの見覚えのある姿があった。 シンゴだ。