シンゴとの待ち合わせまで時間がまだ一時間くらいあった。電車の中で景色を見ながら、またあることを思い出した。
昔、あるヤツがいった。
「お前、本間に人好きになったことないやろ?」
そいつは転勤で丁度この辺りにやってきた関西弁の26歳のリーマンで、そいつとはあるサイトで出会い、半年ちょっと付き合った。別にほれ込んでたわけでもないけど、ただ、そいつが電話で最後に話してたときにソレを言われたのが、俺にとってつっかえ棒になっていた。信じたくないけどそうかも知れない。もう、一人ぼっちはいやだ。孤独になってしまうくらいなら死んでしまいたい。。そう思える。だからそのためには、誰でもいいんだ。誰でも。
そんなことを考えていたらすぐに待ち合わせの場所についた。後三十分。辺りはもう結構暗い。待ち合わせの場所は田舎でも都会でもないちょっとばかり微妙なトコだけど、人もたくさんいなくって俺は何か安心できた。
「もう五時かぁ。。一様いれとくか。。。」
そう思い家に一応電話した。やっぱり。かからなかった。
待ち合わせの場所に彼が来た。彼はなかなかのオシャレさんで、「先輩にはかなわないっすよ〜。」といいながら、カラフルなロゴTシャツで、迷彩ガラのカーゴ。軽くアクセやストールもしてた。高身長で顔もかっこいいからまったく高校生に見えない。
「すいません。。まちました?」「いや、ぜんぜん。」
「てか、来るの早いね?」「あ、俺家この辺から近いいいんすよ。」
なるほど。だからここなんだな。
「もう結構暗いですねえ。。。」「いや、大分(ワラ)」
そんな話をしながら、ぶらぶらとお店を探した。シンゴは焼き鳥が好きなので、焼き鳥にすることにした。
この場、六時。あの独特の夏休み感覚が心地よかった。