赤外線で交換した後、「じゃあメールするよ」と言われて別れた。
家に着いて親に遅かったねと言われ、ご飯を食べて風呂に入った。
風呂から出て二階に上がり自分の部屋に入った。
メールが来てた。
櫻井先輩からだ。
【何してる?】
話すことがなかったのだろう。
『風呂から出たところです』
【そっかあ】
『はい』
【てか敬語とかいいよ
堅苦しいら】
『大丈夫ですよ』
【そっかあ】
メールが途絶えた。
時間は10時半。眠くなってきたので寝た。
翌日。
朝はいつもどおりの行動をして学校に行く。途中友達に会う。
部活。やっぱりいつものいじめ。
憂鬱じゃなかった。ただテニスをしてればいいだけだから。
でもひとつ違ったことは部長がいつもより早くきたこと。そしていじめが一番早く終わった。
「杁月。ちょっと来い」
「ちょっとぬけます」
俺はダブルスを組んでいた先輩に一言いってから部長のもとへ走った。
部長の目の前に立った。
「今日部活抜けるぞ」
「は?」
「いいから」
「なんでですか?」
「だから…」
短い髪を掻いた。
「だから遊びたいなあって」
苦笑いして目が合った。
「別にいいですよ」
断れなかった。断ると切れるかもしれないと思ったから。
兄貴によると櫻井先輩は3年の間では高い立場にいて、怒らせると恐いらしい。兄貴がただのビビリなのか。
「じゃあ抜けるぞ」
「はあ…」
急いでチャリ置き場に行った。
「早く」
俺は後ろに乗った。
「行くぞ」
櫻井先輩は学校が見えなくなるとスピードを落とした。
「どこ行くんですか?」
「いいから」
「なんかデートみたいですよね」
ふざけて言ってみた。
「照れるだろバーカ」
やっぱり間にうけてた。