いつも通り授業が始まり、終わり。
いつも通り学校が終わった。
清々しいはずだった気持ちだったが この時俺の心には少し不安があった
(俺と裕二は付き合っているんだろうか?)
あの夜、俺と裕二は確かに互いの気持ちを確認し、互いに気持ちを受け取った…だけど今日の学校での俺と裕二の関係は何も変わった風に見えなかった。
学校終了のチャイムが鳴り、いつもは裕二と一緒に帰る俺だけど、今日は裕二に声もかけず直ぐさま逃げるように教室を出てしまった。
そしてそんな俺を後ろから追う影がいることを、今の俺は知らなかった。
教室を出て俺はトイレに向かった。…用をたす訳でもなく大の便器に腰掛けて、「はぁ…↓↓」
裕二に対する不安と、裕二を避けてしまったことへのため息が誰もいない放課後のトイレに響いた。
こんな時、携帯を持っていたら裕二からメールが来てるのだろうか…
今まで携帯に対する必要性もなく携帯を持つことをしなかった俺だが、携帯に対する必要性を今知った。
《ガチャ》
トイレのドアが開いた。
誰だかわからないけど、俺はここにいることを悟られないように静かに便器に座っていた…が
《コンコン・・》
俺の入っている部屋のドアを誰かがノックしている。
大の部屋ならまだ2つ開きがあるのに、これは俺に対する合図だ。
裕二かな・・・
俺はトイレのドアをあけた。
するとドアの前に立っていたのはクラスメイトの友也だった。