君は彼のために嘘をつくところを治したいと思ったのでしょう? でも、それはある意味人を変えようという少しのエゴイズムが働いているのではないかな。その友達が嘘をつくのは多分、他にコミュニケーションの方法が思いつかなくて仕方なくやっていたんじゃないだろうか。そしてその友達は嘘をつくという行為で君の関心を引き続けたいと思っていたんだと思う。それは君の事を大事な友達と思っていたから、しっかり向かい合いたい友達と思っていたから、という理由だからじゃない?
君に嘘をつく、その行為は確かに悪い事に見えるかもしれない。だけど、それはある意味で君がいないと成立しない共同作業とも言える。友達は嘘をつく、君は嘘をつかれる、彼は不器用な方法だけれども、君に対して親友という意識があったから、君にそういうことをしたのではないかな?たぶん、その彼の中では、こんなに自分が嘘をついているのに、付き合ってくれる君を、かなり信頼していたんじゃないかと思うわけです。
さて、では君の態度はどうだったか、という事になりますが、君はけっして彼に悪い事をしたわけではありません。しかし、それはあなた自身にとってはよくない行為だったというしか無いでしょう。なぜなら、君は自分で折角彼がつかんでいた手を振り払う事をしたのですから。これは僕の推測に過ぎませんが、あなたたちの間にコミュニケーションが上手くとれていなかったのではないでしょうか。僕にはその友達が嘘をついたのは、君に対して「何か話してよ」とあなたに話題を求めていたように思えるのです。その人は誰彼かまわず嘘をつくような人でしたか? 多分親しい人にしか嘘をつかないのではないですか。確かに、かれの方法は非常に危険で誤解されやすいものだったと思います。しかし、その彼の不器用なコミュニケーションを受け止められなかった事をあなたは考えなくてはいけないと思います。
僕がある人から言われた言葉に「コミュニケーションは双方に責任がある」と云う言葉があります。両成敗というにはあまりに悲しいですが、それは彼の罪でありまたあなたの罪だという事です。
さて、これはあくまで一意見なのですが、もう一度話し合ってみてはどうでしょう? それは勇気がいることですが、もう一度よく話し合ってみてはと思うのですよ。あなたも彼も後悔をしているのではないでしょうか?
大変長くなってしまいましたが、本当はもっと考えて欲しい事があります。後悔は先に立たず、しかしその後悔を引きずらないで何処かに捨て、何かをすべきではないかと、そう思うのです。