前立腺炎の疑いがあります。
Q1:前立腺炎はどのような病気ですか?
A1:前立腺炎とは、前立腺が炎症を起こした状態で、あらゆる年代の男性に起こります。前立腺炎には急性前立腺炎と慢性前立腺炎の2つがあります。急性前立腺炎では大腸菌が原因のことが多く、慢性前立腺炎ではクラミジアや弱毒性細菌が原因のことが多いようです。
Q2:急性前立腺炎と慢性前立腺炎ではどのように異なりますか?
A2:急性前立腺炎は、尿道から侵入した細菌が前立腺に感染して起こる病気です。前立腺が炎症のために充血して腫れ上がります。前立腺肥大症や糖尿病に合併して起こることも多いのです。
慢性前立腺炎は前立腺の炎症が慢性的に続いている状態で、男性にとって一生に一度は前立腺炎症状を経験するといわれています。慢性細菌性前立腺炎、非細菌性前立腺炎、前立腺痛の3タイプに分類できます。
Q3:前立腺炎の症状はどのようなものですか?
A3:急性前立腺炎の症状は、急に発症する発熱、頻尿、排尿痛などです。
慢性前立腺炎の症状は、残尿感、頻尿、排尿痛、射精前後の痛み、排尿違和感、会陰部や下腹部の鈍痛や不快感があります。
Q4:前立腺炎の診断はどのようにしますか?
A4:尿検査で尿中に白血球が多数出現し、炎症所見がみられます。直腸診で前立腺を触れると圧痛を訴えます。前立腺マッサージをして出てくる前立腺分泌液に白血球を認めます。時に細菌も陽性になります。尿の中に細菌や膿が出ていて、高熱があれば、急性腎盂腎炎か急性前立腺炎かのいずれかです。
Q5:前立腺炎の治療法はどうなっていますか?
A5:急性・慢性前立腺炎の治療の中心は抗生物質で、ニューキノロン剤が投与されます。この他、前立腺炎の症状をやわらげる働きのあるセルニルトンという薬も効果があります。慢性細菌性前立腺炎では、4〜12週間程度抗菌剤を長期内服します。非細菌性前立腺炎の場合にも、細菌感染の可能性もあるので、4〜8週間抗菌剤を服用します。前立腺のマッサージで、分泌腺内にたまっている膿性分泌物を排出させます。射精にも同じ効果があります。急性前立腺炎のうちにきちんと治しておかないと、治りにくい慢性前立腺炎に移行します。