ゲイGayという言葉はもともと「陽気な」という意味の英語です。
欧米で男性同性愛者たちがさまざまな蔑称で呼ばれていた頃、1950年代にイギリスで当事者らが自らを名乗るときにプライドを持って使い始めた呼称がゲイでした。
ですから、ただ「同性愛者」という意味だけではなく、ささやかにでもプライドが含まれていると言えます。(客観的に性的指向が同性に向いていることだけを言うときは「ホモセクシュアル」という医学語を用いています。)
さて、この「ゲイ」には、歴史や地域性、また使う人によってかなり意味合いが変わってきます。欧米でも日本でも
・男性の同性愛者、女性の同性愛者、男性から女性に換わった人、女性から男性に換わった人、の全てをゲイと呼ぶ人
・男性の同性愛者と女性の同性愛者をゲイと呼ぶ人
・男性の同性愛者と男性から女性に換わった人をゲイと呼ぶ人
・男性の同性愛者だけをゲイと呼ぶ人
がいますので、「これが正しい」とは一概に言い切れません。
ただやがて「男性から女性に換わった人」「女性から男性に換わった人」に対しては「トランスジェンダー」という語が用いられるようになり、「女性の同性愛者」には「レズビアン」という語が定着してくるようになったため、
自ずと「ゲイ」は「男性の同性愛者」という意味で用いられることがほとんどになってきました。
ちなみに「ゲイ」という言葉が日本に入ってきた頃、女装をしたり女性的な言動で自己アピールする男性同性愛者らが率先してその語を用いたためか、「女性的な男性同性愛者」というイメージでゲイをとらえている人が多いようです。
一方、いわゆるハードゲイのように女性的であるかどうかは全く関係なく(むしろ女性的でないことをアピールしながら)、「自分はゲイである」という人たちも登場し、そういった「男性的な男性同性愛者」をゲイだと思っている人たちもいます。
テレビなどではそういった「面白い」「キャラクターの強い」ゲイが取りざたされますが、実際には普通に会社員をしている、「性的指向が同性に向いているというだけであとは他の人となんら変わらない」というゲイがほとんどなんですよ。