▼侑さん:
亀頭包皮炎ではないでしょうか?
きとうほうひえん【亀頭包皮炎 】
[どんな病気か]
ふつう、包茎(ほうけい)(「包茎」)にともなってみられる、粘膜(ねんまく)や皮膚の表面が細菌に感染する病気です。
包茎では、包皮(ほうひ)の表面は、通常の自然な状態で先端部となる包皮輪(ほうひりん)を境にして、外板(がいばん)と内板(ないばん)に分けられ、内板は亀頭(きとう)に接しています。
この包皮内板と亀頭の間に細菌が増殖して炎症がおこった状態を、亀頭包皮炎といいます。
症状としては、亀頭および包皮の発赤(ほっせき)、腫(は)れ、ただれ、疼痛(とうつう)、ときには潰瘍(かいよう)ができたり膿(うみ)が出たりし、また排尿痛があることもあります。
しかし、高熱や排尿そのものの異常はともなわないことが多いものです。
[原因]
亀頭が包皮におおわれている状態が長期間におよぶと、包皮の内板と亀頭の間に
恥垢(ちこう)(スメグマともいい、この部分特有の垢(あか))がたまってきます。
恥垢は尿で汚染されやすく、細菌が感染しやすいうえ、体温や尿による湿り、外気にふれにくいといった条件から、細菌繁殖の温床となりやすいと考えられます。
したがって亀頭包皮炎は、包茎であることが多い子どもに多くみられますが、包皮の翻転(ほんてん)(陰茎(いんけい)の根もとへ表皮をよせて亀頭を露出させる)を行なわない成人にも生じます。
[検査と診断]
症状と亀頭包皮をみれば、診断は比較的容易です。恥垢や浸出液の細菌培養検査をすれば、原因菌の種類がわかりますが、実際には、
こうした検査は行なわれないことが多いようです。
[治療]
抗生物質や化学療法薬などの抗菌薬を服用します。症状によっては消炎鎮痛薬を併用します。
仮性包茎では、包皮を翻転して消毒した後、抗生物質の外用剤を塗布します。軽症では外用剤のみで十分なことがあります。
[日常生活の注意]
包皮の翻転をしばしば行ない、包皮内板と亀頭を外気に触れさせるようにしたり、汚れた手で陰茎を触らないようにするなど、亀頭と包皮をつねに清潔に保つように心がけます。
予防としては、入浴時に包皮を翻転し、ぬるま湯で軽く洗うなどして、恥垢がたまらないようにすることがたいせつです。
再発予防には、包茎を手術するのがよいでしょう。とくに真性包茎や再発をくり
返す場合には、積極的に手術するのがよいと考えられます。