あるとき、たまたま、2丁目の売り専バーに足を踏み入れて、そこで出会ったノンケのボーイに一目惚れして、毎週のようにその店に通いつめて彼を指名するようになったのですが、ノンケの彼と付き合ってみてはじめて、
なぜホモの子と付き合ってうまくいかないかがわかりました。
私が求めているのは男の子なのに、それまで付き合っていたホモの子は全員、女の心を持った子だったのです!
そのちょっと前、以前から目をつけていたホモの子に高級フランス料理をおごったことがあるのですが、そのホモの子、食事が終わってなんていったと思います?
ご馳走になった礼をいうどころか、「どうせボクの身体が目当てでしょ」っていったんです!
そりゃ、あわよくばという下心はありましたよ。しかし、人にご馳走になっておいて、その言い草はないでしょう。
そもそも、「どうせ身体が目当てでしょ」なんて女の子のいうセリフで、男の子のいうセリフじゃないだろう、と腹を立てたのですが、彼を男の子だと誤解していた私が間違っていたのです。
彼は女の子で、普通に女の子として振舞っていただけなのです。
実際、ホモがオンナであると考えると、それまでホモにたいして抱いていた数々の疑問があっという間に氷解しました。
Q:なぜホモは芸能界の噂話が好きなのか?
A:オンナだから。
Q:なぜホモはちょっと気にくわないことをいわれると、「失礼ね!」と腹を立て、むくれるのか?
A:オンナだから。
Q:なぜホモはケチなのか?
A:オンナだから。
Q:なぜホモは女っぽいのか?
A:オンナだから。
Q:なぜホモは男が好きなのか?
A:オンナだから。
等々
なにより、自分の心の中を覗いてみると、そこに棲みついているのはまぎれもなくオンナ! 男ではありません。
私がホモの子と付き合ってうまく行かなかったのは、私の中に棲みついているオンナと彼らの中に棲みついているオンナが衝突したからです。
逆にノンケの売り専ボーイとは非常にうまく行きました。最初に一目惚れした売り専ボーイは、ジャニ系の美少年でしたが、彼はノンケだったから、美少年でも中味は女の子ではなく、私の求める男の子だったのです!
それから私の売り専通いがはじまったのですが、当時、80年代半ばの売り専バーでは、ボーイとしてノンケの男の子しか雇わず、ホモの子は絶対に雇いませんでした。
売り専バーのママによると、ホモの子は好みのタイプとそうでない客ではサービスに違いがでてくるけど、ノンケの子は基本的に男にたいして無関心なので、どの客にも平等にサービスするからだということでした。
そしてそれは女の子(ホモ)ではなく、男の子(ノンケ)を求める私には理想的な状況だったのです。
そして驚いたことに、また嬉しいことに、私が売り専バーで出会ったノンケ・ボーイたちは、男とセックスすることにまったく抵抗感や罪悪感がないどころか、むしろ、その「仕事」を楽しんでいるようにさえ見うけられたのです。
こういうことをいうと必ず「自分たちホモが女とセックスして楽しめないのと同じで、ノンケが男とセックスして楽しめる筈がない」などと反論してくる輩がいますが、そもそもホモとノンケを同列に扱うのが間違っているのです。
何度もいうように、ホモはオンナなのです。だから、ホモと同列に扱うべきはノンケではなく、本物の女の方なのです。
一般的にいって、オンナ(ホモ+本物の女)は、セックスする相手を選り好みする傾向が強いですが、男(ノンケ)はその点、かなりいい加減というか、アバウトなところがあって、その場のなりゆきでヤッてしまうことが多いのです。
簡単にいうと、男(ノンケ)というのは、相手が女であろうが、男であろうが、ロバであろうが、イルカであろうが、ペニスを挿入できる穴があれば、セックスできる動物なのです。
売り専で指名したノンケのボーイに「たとえ金のためとはいえ、男とセックスするのは嫌じゃないか」とよく質問しましたが、大抵、「最初の一週間は嫌だったけどそれを過ぎると、どうってことなくなった」といってました。
逆にいえば、ノンケであっても、男とセックスすることに抵抗がないから、売り専ボーイとして働けるわけです。
あと、売り専ボーイとして働くノンケの男の子には、高校や大学でスポーツをやっていた、いわゆる体育会系の男の子が多かったのですが、そういう子には、売り専バーで働く前に男同士のセックスを経験している子がけっこういました。
高校や大学の運動部で、後輩が先輩の性処理の相手をさせられるという話は、ホモ雑誌の小説の世界の中だけのことかと思っていたら、実際、よくあることだそうで、高校で柔道部に入っていたという男の子は、いつも学校のトイレの個室で先輩のものをしゃぶらされていた、といってました。
先輩はイクとき、「ヒロコ〜〜〜」などと好きな女の名前を叫びながらイクそうで、後輩である彼はその絶叫を聞きながら、先輩のペニスからほとばしり出るザーメンを口でしっかりと受けとめるんだそうです!
「それじゃあ、君は男のモノをしゃぶることには抵抗はないわけね?」
と聞くと、
「ええ、全然、へっちゃらです」
といって、実際に抵抗がないところを私相手に実演してみせてくれました(笑)
彼に限らず、体育会系の男の子というのは、先輩の命令には絶対に服従する習慣がついているので、われわれ客の多少無理な要求にもノーといわずに素直に答えてくれる子が多く、
企業の人事担当者が体育会系の学生を好んで採用する理由がわかるような気がしました。
ノンケといっても性感帯はホモと変わりません。感じるところを優しく刺激してやるとヒイヒイいって喜びます。
女の子相手だと一晩に5回はデキると豪語していた男の子から、客に何度もバックを掘られているうちに、段々とバックが感じるようになってきて、
「もしかして自分はホモになってしまったのではないか」
と悩んでいると告白されたこともあります。
私は、アラブ・イスラム圏で、いわゆるノンケと呼ばれる男たちが平気で男とセックスし、ときにはウケ役を楽しむ姿を見てきたので、そんな告白を聞かされても別に驚きはしませんでした。
バックが感じるようになったからといって、なにもホモになったわけではないのです。
売り専ボーイになって、金のために男とセックスすることがなければ、一生、知ることがなかったであろう快感を、売り専ボーイになったお陰で偶々、知るようになっただけのことです。
たとえノンケでも前立腺を刺激されれば感じるようにできているのは、だいぶ以前からノンケ向け性感マッサージで、前立腺マッサージが流行っている事実をみればあきらかです。
90年代に入ってから、売り専バーの方針が変わり、ホモの子もボーイとして雇うようになって、私の売り専通いは終わりました。
それまでのおよそ4年間で、小さなマンションをひとつ買えるくらいの金を売り専ボーイにつぎこみましたが、ちっとも惜しいとは思っていません。
それどころか、私を気持ちよく受け入れてくれたノンケの売り専ボーイたちには、いまでも感謝の念でいっぱいです。
私がノンケから受け取ったもの、それは「男の優しさ」です。
あたり前だけど、「男の優しさ」は、オンナ(ホモ)からは得られないのです。
ホモの中には、頭を短髪にして髭など生やした外見は男っぽいホモもいますが中味はやっぱり、オ・ン・ナ。
彼らは男らしさというのは、外見ではなく、中味だということがわかっていないのです。
中味なんかどうでもいい、外見だけ男っぽくみえれば、と思っているのかもしれませんが、オネエのオーラというものは自然と滲みでてくるもので、その結果、オネエ言葉を話し、内股で歩く、短髪・髭のきしょいオカマが増えるのです。
ノンケが天然ダイヤだとしたら、短髪・髭で男っぽく装っているホモは模造ダイヤです。
一度、天然ダイヤを身につけたら、二度と模造ダイヤなんか身につける気にならないのと同じで、一度ノンケの味を覚えたら、アホらしくてホモなんか相手にできません。
ホモのカップルをみて、
「レズじゃあるまいし、オンナ同士くっついて、なにが楽しいのかしら?」
などと思う私は多分、同性愛者ではなく、異性愛者なのです。