なんか、切ないですね。
読んでいて、胸がきゅーっとなりました。
でもなんだか暖かい感じです。
いつも楽しみに読んでます。
▼とかげ3号さん:
>「ちょっとトイレ行ってくる」
>
>
>右手をヒラヒラとさせ
>トイレへと向かう131番の友達
>
>ため息をつきながら
>ジンバックを口に含む
>
>僕の番号は132番
>
>
>「デートに誘わんの?」
>
>
>左にいる友達に不意をつかれる
>胸元には130番の番号
>
>
>「…なにが」
>
>「アホ、バレバレや」
>
>
>顔を真っ赤にしてる友達が
>僕の肩をたたく
>
>僕の顔も真っ赤になる
>
>
>「やっぱ…わかる?」
>
>「クラブに来てからずっとあいつのこと見とおし」
>
>「うん」
>
>「まぁあいつ顔良いしなぁ、モテるよな」
>
>「うん。それだけじゃないんだけどね」
>
>「ん?」
>
>「優しくて、僕の考えてることもすぐわかるし」
>
>「…」
>
>「きっと僕が好きなことも知ってるんだとおもう」
>
>「なら、誘えよ?」
>
>「僕じゃダメなんだ」
>
>「はぁ?」
>
>「君みたいにイケメンじゃないし」
>
>「…」
>
>「あいつも、君みたいにカッコイイ人から好かれたいはずだよ」
>
>
>笑う友達
>
>
>「ちょっと紙貸せ」
>
>「え?」
>
>
>ネルトンの紙に番号を書く
>番号は131番
>
>
>「ちょっと!」
>
>
>スタッフに渡しに行く
>
>
>「大丈夫、自信持て!」
>
>「え…」
>
>「あいつ、まえにお前のこと可愛い言うとったよ」
>
>
>ぽかんとする僕
>
>
>「でも…」
>
>
>友達が戻ってくる
>
>
>「お待たせ〜!」
>
>
>酔っぱらってる友達は
>電光掲示板を指差す
>
>
>「あれ?おれの番号?」
>
>
>首をかしげる友達
>
>
>「んじゃ、俺はちょっと外の空気吸ってくるから」
>
>「ちょっと…!」
>
>
>二カッと笑いながら
>ピースをする俺
>
>カウンターに
>ウォッカソーダを置く
>
>
>「ゴチソーサマ!」
>
>
>出口に向かう最中
>あいつらは互いに向き合って
>顔を赤めてた
>
>嬉しいわ本当
>我ながらアッパレな
>恋のキューピッド役に
>なってもーたやんけ
>
>本当
>しょーもな
>
>ドアが閉まる
>
>
>「…雨降っとおし」
>
>
>ゴロゴロと空が鳴る
>
>髪が濡れ
>額から雫が滴る
>
>右手のなかには
>くしゃくしゃに丸まった
>132番の紙
>
>
>「鈍感すぎやろ…」
>
>
>俺は雨の中走り出した
>
>水溜まりを踏むスニーカーが
>もっと走れと言わんばかりに
>
>俺の心は
>ずぶ濡れになった
>真っ白なスニーカーと
>同じ色をしていた