夢をみた…
俺がまだ小さかった頃の夢。
雪兎さんと遊んで、
笑い会っている夢。
だけど、次第にぼやけて…
真っ暗になる夢。
輝「さと…巳智!」
巳智「ん?輝…?」
目を覚ますと頬を伝う涙に気がつく。
輝「大丈夫か?うなされて泣いてるから…」
巳智「大丈夫。怖い夢をみただけ…」
輝「ずっと、雪兎さん、雪兎さんって言ってたから…」
巳智「そっか…ありがとう。」
出来ればこの会話は避けたい…
輝もそれを悟ったようでそれ以上聞いてくることはなかった。
授業を丸々サボり、
下校する。
輝とカラオケ行って、
飯を食って解散して。
1人帰路につく。
家の前まで来ると、
誰かが立っている。
まさか…
そんなはずはない。
だけど、あれは確かに…
雪兎さんだ!
雪兎さんも気がついたみたいで
こっちに向かってくる。
雪兎「巳智、だよな?久しぶり。」
巳智「久しぶり…」
変わらない雪兎さん。
頭が良くて、カッコ良くて、優しい雪兎さん…
話せて凄く嬉しい…
だけど、素直に慣れずにその場から離れようとする。
雪兎「話しがあるんだ。」
巳智「なに?」
雪兎「俺の部屋に来てくれないか?」
巳智「……。」