1年間の予備校生活を経た後、俺はまた本命の大学の前期試験を受けた。
しかし、8点ほど足りずに落第。
後期をどうするかはかなり迷ったけども、これ以上我を張ることはできないと決意。
それでも関東に残りたかった俺は、後期で神奈川の大学を受験。
試験的には本命よりも簡単なところだったので、余裕で合格。
こうして、俺の神奈川生活が新しく始まった。
一人暮らしが始まってからすぐにPCとネット環境を整え、新しい大学生活に慣れつつコータとのコミュニケーションを増やしていった。
俺が大学に受かったころ、あっちは既にSkypeを始めていたので、俺も始めてそちらでチャットや通話をするようになっていた。
向こうは高校を卒業してから、すぐに就職していた。
詳しくは聞いていないけれど、工業系の会社で、現場とデスクワークを両方こなすような仕事であるらしい。
就業時間が結構長くて、シフトが不規則だから休日が安定しない、と言っていたのを覚えている。
二人でまた前のようなコミュニケーションを取る。
そこまでは順調だった。
コータと俺は昔のような会話を昔のようなノリで出来ていたし、とても楽しかった。
もう少ししたら自分の気持ちを告白しよう、と俺が決意するほどに。
しかし、Twitterでのやり取りをするうち、俺は気づいた。
コータが、気軽に行く場所にない「大阪」へ、ちょくちょく足を運んでいるということに。