そんなこんなで歩いてます。
バス停までの帰り道を。
日に焼けた赤い顔がやっと隠せる時間帯に。
『一緒に帰るか!』
『?』
『先輩!!!』
先輩だった。あの憧れの。
もう日も暮れて真っ暗だったのに僕の事が分かったのがすごい。
『家まで送ってやるから乗れよ。』
『いいっすよ。重いし…』
『お前ちびだから軽いだろ。早く乗れよ。』
『じゃあ、お言葉に甘えて。あ、でも家までは送らなくていいっすよ!』
『何で?』
『いや、逆方向じゃないですか。』
『んなもん気にすんなよ。な?』
『すいません。』
そう言うと頭ポンポンされました。
すごい心地よくて、多分日に焼けて真っ赤な顔が更に真っ赤だったと思います。
帰り道は、他愛のない話で盛り上がった。
そして僕の家に到着。
『本当すいません。ありがとございました。』
『なあ、ちょっと話そや』
『え、いいっすけど、じゃあ近くの公園行きます?』
『おう。』
家の近くの公園に行った。
ベンチに座った。
沈黙…
沈黙…
僕は、耐えきれず、
『今日暑かったっすねえ〜…』
『そだな。』
会話終了。
『先輩今日すご…』
言葉の途中を何かに邪魔された。
手が背中にまわって、ぎゅ〜って感覚。
唇には、唇が重なっていた。
柔らかくって甘かった。
それが先輩の唇なんだって思ったら、頬には何か水滴が垂れた。
『ごめん…嫌だったよな。』
『そんなんじゃないですよ!そんなんじゃ…。』
『………』
『嬉しいんですよ。』
『じゃあ何で泣くんだよ…。』
『先輩がカッコよすぎるから…優しすぎるから…大好きだからに決まってるじゃないですか…。恥ずかしいんだから言わせないで下さい…。』
『そっか。ごめんな。』
そういうとまた、ぎゅ〜って感覚。
すごい落ち着けて、安心感がある感覚。
『付き合おっか、俺達。』
『僕でいいんですか…?こんな泣き虫で弱虫でいいんですか…?』
『泣き虫で弱虫なお前が好きだよ。』
そう言うと、またキスくれました。
さっきより丁寧に。
さっきより濃厚な。
甘くって、暖かいキスを。
『絶対離れんなよ?』
『はい。』
『ずっとずっと一緒な。』
『はい。』