それから親に合格の報告をして、親戚にお赤飯を配りに回ったりお祝いをしてもらったりした。
でも俺は極力ゆーやの側にいてやりたいと思っていた。
もとはと言えば俺がゆーやを俺の志望校に誘ったんだから。
今度は俺の番。少しでもゆーやの力になりたいと思った。
わからない所は教えて、メールや雑談で精神面も出来る限り支えた。
そして2/23、都立高校一般入試日。
俺は朝早く起きて駅でゆーやを見送りに行った。
ゆーやはおっちょこちょいだから、忘れ物がないか駅で一緒に確認した。
俺はゆーやのカバンの中に1枚のカイロをこっそり入れた。
前日家でカイロの袋に応援メッセージを書いておいたヤツだ。
それから小さなゆーやの背中を叩いて、「頑張れ!」と一言だけ言った。
ゆーやは笑いながら、うんと答えた。
俺はケータイを開いてゆーやにメールを打った。
『お前寒がりだろ?カバンにカイロ入れといたから試験中ポケットに入れとけ!(笑)頑張れ☆』
すぐにゆーやから返信が返ってきた。
『びびった。ホントに入ってた(笑)努力って漢字が「怒力」になってるのは置いといて(笑)、ありがとっ!』
夜中に思いついて書いたとはいえ、これから試験って人に誤植入りメッセージを贈ってしまった自分に羞恥と嫌気が差して赤面した。