30分くらい歩いたところで和也が立ち止まる。
和也「ここ俺んちwwちょっと待っててちゃちゃっと片づけるから。」
俺「うん。じゃあ、そこのコンビニでなんか飲み物でも買ってくるよ。」
和也「おう、たのむわ。んじゃあ。」
俺は適当にドリンクを買いポテチとかチョコレートとか買って部屋へ向かった。
戻るとドアの前で和也が待っていてくれた。
和也「どうぞ〜」とドアを開けてくれる。
俺「おじゃましまーす。」と中へ入る。
俺の後ろでドアが閉まったと同時に後ろから抱きしめられた。
俺「・・・ん?和也?どした・・の?」
和也「ごめん・・ホントにごめん・・少しだけこのままでいさせてくれるかな・・?」
俺「うん・・」
なんだか泣いてるみたいだった。
いつも笑ってた和也が泣いてる・・・
俺は何も聞かず和也の手をほどくとそのまま振り返り正面から和也をそっと抱きしめた。
どのくらいこうしていただろう?
たぶんたいした時間じゃなかったと思う。
落ち着いた和也は部屋へ俺を招き入れゆっくり話しだした。
和也「あの時引っ越したろ?一応親父の仕事の都合ってことになってたんだけど
本当は両親が離婚したんだ。そんでおふくろの実家に帰ることになって
俺はおふくろについて行ったってわけ。」
俺「そうだったんだ・・たいへんだったな・・」
和也「俺さ、耕平と離ればなれになっておまえの存在の大きさに気がついちゃったんだよ。
いつも後ろの席には耕平がいたからつい振り返っちゃったり、事あるごとにおまえのこと
思い出してた。そんな時『ゆびとま』のことを知ってこれに賭けてみようと思ったんだ。
おまえからメールが来た時は心臓止まるかと思ったよ。そのうえ『好き』とか『サヨナラ』とか
勝手なことばっか書いてきやがって・・・」
俺「スキって言うのはホントだよ。最初のころはほっといてくれよ!一人がいいんだよ!って思ってたんだけど
いつの間にか俺和也がいないとダメだった。和也がいなくなってから一時期元の俺に戻っちゃってたんだけど
こんなんじゃいつの日か会えた時にみっともないなって思ったから友達もがんばって作ったし勉強もした。
あの時和也の名前を見つけた時は神様っているんだな、なんて本気で思ったりもした。今だって・・・」
そう言いかけた時和也にギュッと抱きしめられた。
俺「今だって大好きだよ。でもこれは友達としてじゃなく恋愛対象としてスキってことだから・・」
和也「俺が言おうと思ってたのに・・・」
和也の顔が近づいてくる。俺はそっと目を閉じた。重なる唇。ほんの1秒くらいだったように思う。
和也「これからも会ってくれるかな?てか、付き合って下さい。」
俺「俺なんかでいいの?男だよ。」
和也「バカ!耕平がいいんだよ。」
その言葉に一瞬にして顔が真っ赤になる。
照れながら俺「こちらこそよろしく!」
こうして俺達は付き合うことになり今は一緒に暮らしています。
いつまでもこの幸せが続きますように。 END
ちょっと劇的な出会い、別れ、再会だったので記念にと思って書いてみました。こんな俺達の話を最後まで読んでくれてどうもありがとうございました。