ノンケを好きになった話。
あるサークルで活動してる俺は学生時代から一緒にやってる女友達(咲)がいた。そいつは昔から彼氏ができると友達よりも男という感じで女友達はほとんどいなく、今は俺もあんまりサークル以外での接点がなかったから気にはならなかった。でも、咲が俺の友達(亮太)を好きになった。一目惚れしたらしい。
その時、学生時代の記憶がちょっとだけ蘇ってきた。
昔、咲は俺の友達(雄一)と付き合っていた。
雄一のことは友達として好きだったけど、それ以外の感情は特になかった。
ある日、咲は俺と雄一がいつも一緒に遊んでるのが嫌だったみたいで、雄一から『お前と遊ぶと咲が怒るようになってきたんだけど・・・』って言われて少しずつ一緒に遊ぶのが少なくなっていった。もちろん学生だったから皆で飲んだりすることもあるし、俺も気を使って雄一と遊ぶ時は咲の機嫌を伺うようにしてた。でもだんだん俺は雄一と遊ぶことも咲がいちいちウザくなったきたので雄一からの誘いも断るようになってきた。雄一もそれを察してなのか俺を誘ってくることが少なくなってきた・・・(ように感じてた)。その分、雄一と咲は一緒に過ごす時間が増えたみたいだったし、それを何とも思うことなく幸せそうだったからよかったなって。ちょっと寂しい気持もあったけど素直にそう思ってた。
そんな関係が続いたまま大学を卒業しそれぞれ仕事についた。
皆、忙しい職場だったから会うことも少なくなってきた。
数か月後、久しぶりに雄一からメールが来た。
『咲と別れた』って内容だった。
じゃ、失恋パーティーでもしようってことで一緒に飲みに行くことになった。気付かなかったけど、二人で飲むのは凄い久しぶりだった。
話を聞いてると付き合って少したったぐらいから束縛が酷くなって、最初は愛されてるなって感じてたらしいけど友達との付き合いまで口を出すようになってきて正直疲れちゃったって話を聞いた。俺の時もそんな感じだったもんな・・・って思いながら話を聞いていた。実際、いつも俺と遊んでたからそれが原因でケンカになったことも結構あったらしい。俺が気を使ってたことも何となく気づいてたし、咲とのケンカもあるから雄一自身もちょっと面倒だったらしいってことも聞いた。ちょっと笑っちゃったけど、友達と彼女の比較・・・。咲の俺への『嫉妬』。何となくわかるような気もした。
でも雄一も咲のことは好きだったみたいだし、別れは誰にでもあるし、結局は雄一の失恋話とか仕事とか愚痴をたくさん聞かされた飲み会だった。
またその数か月後、サークルで咲と俺は一緒に活動することになった。咲に雄一のことは聞かれたけど、面倒だったから何にも聞いてないよってつい嘘をついてしまった。
っていう過去があったのを思い出した。