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続き・・・
きいちゃんの部屋に帰った俺たちは、汗でベトベトの手をしっかりを洗い、ちょっと遅めの夕飯の支度に取り掛かった。
俺「先に米炊かないと。」
霧「ああ、そっか。」
俺「釜は?」
霧「炊飯器の中。ちょっと待って。」
俺は米を2カップ量り、ざるに移そうとしたその時。
霧「あ・・・」
炊飯器の蓋を開けたきいちゃんが何かに気づいたみたいだ。
俺「どした?」
霧「昨日米炊いたの忘れてた・・・^^;」
俺「え・・・!?一切手つけてないの?」
霧「うん。昨日篠塚連れてくる前に炊飯したんだけど・・・すっかり忘れてた。」
炊飯器を覗きこむと、そこには少しだけ変色してるご飯が。
保温で置いとくと、ちょっと変色するんだよね。
霧「ダイジョブかな・・・」
俺「え?全然平気だろ^^ どうせ炒めるし。それに今冬だぜ?」
霧「そっか^^;」
俺「今日食わない分は冷凍しとけよ。」
霧「うん。じゃ早速作ろうぜ!^^」
俺「まあ慌てんなよ。^^; まだ材料切ってねえし。」
***
俺「で、ケチャップはこれ位で十分足りっから。」
霧「そんなに少なくて良いの?」
俺「あのなぁ・・・2人分なら5往復かけりゃ丁度良いんだぞ。塩コショウも軽くしてあるし。」
霧「へぇ〜。」
俺「お前が作るとな、ケチャップライスじゃなくて、米が入ったケチャップソースになってんの!」
霧「そ、そう・・・?^^;」
俺「覚えとけよ。2人分は、5往復。」
霧「はい先生!^目^」
きいちゃんの苦手分野。
語学と・・・料理です。
***
俺「こうやって包んで・・・皿にひっくり返すと・・・ほら^^」
霧「ん???今スゲーイリュージョンやった?」
俺「イリュージョンって何だし^^; 皿当ててフライパンひっくり返しただけだよ。」
霧「ゴメン、これは俺にはゼーッタイ無理だから^^;」
俺「まいいや。^^;もう一個作るから。ケチャップ適当に少しだけかけといて。」
霧「うん。」
再度フライパンに火をかけ、自分の分も作る。
さっきと同じようにチキンライスを卵で丁寧に包み、フライパンをひっくり返して皿に盛った。
霧「なあ、これゆうが食べろよ。」
俺「え?」
出来あがってるオムライスにケチャップをかけていたきいちゃんが、意味深な笑みを浮かべてる。
霧「ゆうの為に書いたんだよ。^^」
先に出来たオムライスを見てみると・・・
俺「何書いてんだよ・・・!*−_−*」
霧「だって・・・ホントの事じゃん?*^^*」
そこには・・・
ケチャップで器用に書かれた「suki」の文字・・・。
俺「書くなら・・・LOVEじゃ・・・ねえの?」
霧「LOVEじゃ・・・何かありきたりかなぁって・・・^^;」
俺「ん・・・ハハ^^」
霧「ハハハ!^^」
俺「じゃあ俺も書いてやるね。^^」
ケチャップを持って、丁寧に文字を書いてく。
霧「d・・・」
俺「まだ見んな!」
きいちゃんを後ろに向かせて、気を取り直して書き続けた。
きいちゃんが「suki」なら・・・俺は・・・。
霧「まだぁ?」
俺「あと2文字。」
霧「大学のレポートでも書いてんの?」
俺「はぁ?何アホな事言ってんだよ。」
霧「ヘヘッ。」
俺「・・・よし、出来た。ほら。^^」
俺はきいちゃんのオムライスに・・・
「daisuki」って書いた。
きいちゃんが書いた「suki」オムライスと、俺が書いた「daisuki」オムライス。
きいちゃんは俺の書いた7文字のアルファベットを見て、急に俺を後ろから抱き締めてきた。
霧「俺も大好きだよ。」
俺「うん。」
きいちゃんは俺の首筋にキスしてくる。
俺「ん・・・!感じちゃうだろ・・・!」
霧「まだダメ・・・後でゆっくりな・・・。」
俺「分かってる・・・。」
霧「めちゃウマそうだな、このオムライス。」
俺「俺が作ったからな。^^」
霧「早く食べようぜ。^^」
俺「うん。メチャ腹減った^^」
「いただきま〜す^^。」
***
霧「ウマい・・・やっぱお前の料理サイコー^^」
俺「そんなに褒めちぎんなよぉ*^^*」
霧「でも・・・俺これからもっと料理頑張んねえとなぁ。」
俺「ん?」
霧「ほら・・・これから一緒に住み始めたら、お前にばっか作ってもらっちゃ不公平だろ?」
俺「あ〜、でも別に良いよ?他の家事とかその分してくれれば。^^」
霧「・・・良いの?」
俺「モチ!きいちゃん掃除は俺より得意だろ?」
霧「まあ・・・綺麗好きだし?」
俺「な?俺は料理全般で、きいちゃんは掃除全般。俺も少しは掃除手伝うし、文句無いだろ?^^」
霧「それなら俺は助かるけど、ホント良いのか?」
俺「良いって良いって。^^」
霧「アリガト・・・^^」
きいちゃんはスプーンにオムライスをがっつりすくって口にねじ込む。
結構食べ進んではいたけど、プレートの上のオムライスには、まだ「suki」の文字が綺麗に残ってた。
俺のオムライスも、まるで「suki」の周りを切り崩していく様に食べられていた。
自然とその嬉しい4文字を崩さんとしているみたいに。
俺「なあ・・・」
霧「ん?」
俺「この文字・・・崩すのもったいない・・・^^;」
霧「俺も・・・^^; でも食わないとそれももったいなくね?」
俺「そりゃそうだけどな。」
霧「じゃあこうしよ。」
俺「ん?」
霧「1文字ずつ、せーので口に入れる。^^」
俺「ンフ^^ 良いよ^^」
せーの
S
せーの
U
せーの
K
せーの
I
***
霧「ふぅ〜・・・ウマかったぁ^^」
俺「満足?^^」
霧「うん。ごっそさん^^」
ふと時計を見るともう9時半。
俺「なあ、いったんオレんち戻っても良い?」
霧「え?良いけど。どして?」
俺「俺荷解きまだだからさ。」
霧「あ、そっか。」
俺「30分位で戻るから。」
霧「分かった。じゃあその間皿洗いしてるわ。^^」
俺「悪いけど頼むね^^」
霧「おう。つかゆうが料理したんだから、片づけは俺がするのがフツーだろ?^^」
俺「そ・・・っか。早速だな^^」
霧「ヘヘッ^^」
俺「じゃあ行って来んね^^」
霧「気を付けて行けよ?」
俺「心配すんなって^^ 何かあったら電話すっから。」
そう言い残し、俺は一旦自分のアパートに戻った。