こんばんわ。
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コメントありがとうございました!
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<続き>
手に汗握った最終試験を終え、いよいよ合否の発表の時間となった。
お守りをがっちりと握り締め、俺は教官が読み上げる名前を静かに、ドキドキしながら聞く。
教官「皆さんお疲れ様でした。ただいまから、本日の合格者の方をお呼びしますので、呼ばれたら係の者の・・・」
あ〜長い!早く教えてくれ〜!
教官「では受験番号順に読み上げます。」
俺の番号は12番。
しかし最初に呼ばれたのは何と9番の人。既に25人中8人もが落とされてる。
予想外だった。
ここまで狭き門なの?
そして次に11番の人が呼ばれる。
え・・・次・・・!?
完全に浮足立ってたその時、別の教官が、発表担当の教官に何か伝言を始めて、いったん発表中断という状態に・・・!
俺の心境はまさに「生き地獄」だった。
完全に寸止め!
12番は呼ばれるのか呼ばれないのかとにかく早くはっきりさせてくれ!
心の中で無意味に叫んで、今にも発狂しそうだ。
教官「失礼。では続けます。」
いよいよ・・・
教官「12番の・・・里中さん。」
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ぃやったぁああああああああああああああ!!!!!!!!!!
さっきまでの心の叫びは、一瞬にして喜びに変わった!!
この瞬間、俺はきいちゃんと約束した通り、2週間ピッタリで卒業する事に決定。
合格者にだけされる色んな手続きの説明を聞きながらも、早くきいちゃんに電話したいって気持ちが先走る。
1時間くらいかけてようやく説明会が終わると、俺は部屋を早歩きで出て、すぐさま携帯を手に取った。
霧「もひもひ・・・」
電話の向こうのきいちゃんは、何だか眠たそうな声だ。
それでも俺はお構いなしにハイテンションで報告した。
俺「受かった!!」
霧「・・・マジ?」
俺「うん!!」
霧「ヒャッホーイ!!!!!!!おめでと〜〜!!!!」
俺「ありがと〜!!!」
霧「お前なら出来るって信じてたよ!」
俺「うん!俺出来た!!!」
霧「ハッハ〜!!いやマジおめでとうだな!!!!」
きいちゃんは、自分の事の様にめちゃくちゃ喜んでくれた。
直前の眠たそうな声はどこへやら。
霧「明日何時頃帰れる?」
俺「明日?えっと確か卒業式みたいなのがあって、それからだから・・・」
霧「何時に教習所出れる?」
俺「早くて午後の3時かな。」
霧「そっか。じゃあ気を付けて帰って来いよ^^」
俺「うん^^ 餃子も買って帰るから。」
霧「楽しみにしてるよ^^」
俺「うん^^ つか寝てた?」
霧「え・・・ああ、昼寝してたんだ。つか最近毎日昼寝してるよ^^;」
俺「じゃあ明日は夜ずっと起きててもダイジョブだな^^」
霧「いやん、何されちゃうのかしらん^^」
俺「プッハハハハハハハッ!!!何で急にオネエなんだよっ^^;」
霧「ハハハハッ!!」
正直な気持ち。
卒業式なんてどうでも良いから早くきいちゃんの胸に飛び込ませてくれ!!
=====
「かんぱーい!」
その夜、夕飯を食べた後、部屋で潤樹くんと軽く乾杯。
彼はお酒を一切飲めないらしく、コーラだったけどね。まその前に未成年だし。
潤「あ〜あ、明日から悠太さんいないんですね。」
俺「寂しい?」
潤「まあ、ちょっとだけ^^;」
俺「日曜の試験受けるんだっけ?」
潤「はい。」
俺「じゃ次のルーミーが来る前に帰れるかもな。」
潤「受かればの話ですけど。」
俺「ダイジョーブ。力むと逆効果だしさ。」
合格したからと、威風堂々と潤樹くんにアドバイスを垂れる俺。
調子乗りすぎ・・・^^;
潤「明日は彼女さんと会うんですか?」
俺「もちろん。つか帰ればいるもん。」
潤「あそっか。同棲してるんですもんね。^^」
今すぐ会いたい。
きいちゃんの腕に抱かれたい。
=====
土曜日。
この日も潤樹くんは最終試験前の練習をするため、卒業式前に連絡先を交換して、固い握手をして別れた。
東京に戻って、潤樹くんから連絡来たら、きいちゃんと3人で飯にでも行こう。
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校長先生の話や、今後のドライバーマナーのお説教を受け、何度もあくびしながら、1時間くらいかかって卒業式を終えた。
会場の部屋を出て携帯を見ると、きいちゃんからメールが入ってた。
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宿舎を出たらすぐにメールか電話して。^^
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俺はこの時、このメールの真意が全く分からなかった。
ただ、このメールがとんでもないサプライズの序曲だったんだ。
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一番仲良くなった教官に挨拶し、荷物をまとめ、宿舎を出て、きいちゃんのメールの指示通り、電話をかける。
霧「お疲れ〜^^」
俺「お疲れ。で、今宿舎出たけど。」
霧「じゃあ教習所の校舎の前に行ってみて。」
俺「なぜに?」
霧「そこに迎えの運転手派遣してある。」
俺「運転手?!何ハイヤーでも手配したの?!」
霧「まあそんな感じかな。じゃ待ってる。」
そう言うときいちゃんは一方的に電話を切った。
ん・・・?
「じゃ待ってる。」・・・?
え・・・?!
俺は重たい荷物を背負い、駆け足で、徒歩1分もかからない場所にある校舎前に向かった。
するとそこには、車が1台。
白のワゴンR。
・・・見た事ある車だ。
更に駆け寄ると運転席には男が一人。
・・・見た事ある男だ。
運転席には、きいちゃんに良く似た男が乗ってた。
その男が車から降りて、俺に近づく。
霧「お疲れ様^^」
俺「・・・ウソ・・・だろ・・・?」
霧「びっくりした?」
俺「何してんの・・・?」
霧「せっかくだから迎えにきた^^」
俺は未だに整理がつかなかった。
目の前にいるきいちゃんは・・・夢・・・?
霧「ゆう^^」
俺「ホントにきいちゃん・・・?」
霧「そうだよ。お前の大好きなきいちゃんだよ^^」
俺は徐々に現実に戻され、やっと状況がつかめた。
きいちゃんが、俺の為にわざわざ栃木まで迎えに来てくれて、今目の前のニコニコしてる。
思わず俺はきいちゃんの胸に思いっきり飛び込んだ。
霧「うぉ〜おッハッハハハ!!元気良いなぁ^^」
俺「会いたかった!」
霧「俺もだよ。ホント頑張ったな。」
俺「うん!あのお守りのおかげだよ!」
霧「そっかそっか^^ お疲れ様。」
俺「つかマジびびった。まさかきいちゃんがいるなんて思わなかったし!」
霧「思いっきりサプライズしてお前喜ばせたかったんだ。」
俺「お前サプライズしすぎだよ。でも・・・メッチャ嬉しい。」
俺は精一杯の力を振り絞ってきいちゃんを抱きしめると、きいちゃんも力いっぱい俺を抱きしめてくれた。
=====
霧「途中宇都宮で餃子買って帰ろうな^^」
俺「うん^^」
きいちゃんの、一切衰えない華麗な運転で、一路宇都宮へ。
まるで夢のようだ。
まさかきいちゃんが栃木まで迎えに来てくれるなんて。
俺「つかこの車篠塚さんのだろ?」
霧「うん。1週間前からもう予約させてもらってたんだ。」
俺「そんな前から?!^^;」
霧「うん^^ そしたら篠塚な、『それなら断るなんて出来ませんよっ』って言って、即OKしてくれたよ^^」
俺「ハハハ^^ 篠塚さん良い人だ^^」
霧「最初は・・・あ、何でもない。」
俺「ん?言いかけたなら言うのが約束だろ?^^
霧「う・・・ん・・・いや・・・今篠塚が良い人って言ったろ?
俺「うん。」
霧「最初は・・・恨んだ相手なのになぁ・・・って^^;」
俺「フフ・・・それは誰のせいだ?」
霧「ごめんなさい・・・!」
俺「ハハハハッ^^ もう良いって^^」
霧「うん・・・^^;」
俺「つかさ、あれがあってから俺達グンと近づいたよな。」
霧「そう・・・だな。」
俺「試練乗り越えてこそ本当に好きなんだって思えるし。^^」
霧「うん・・・それ正しいな^^」
きいちゃんが狙われちゃうのは仕方ない。
それほど言葉に出来ない色気がある。
性格良し、顔良し、そして知る人ぞ知る、夜テク良し。
だから篠塚さんがきいちゃんに惚れてしまっていたのも無理はない。
対するきいちゃんは酒が入ってヘベレケにならなければとにかく一途で純粋だから、他の人になびく事はない。
そんなピュアで綺麗な心を持つきいちゃんに俺は惚れて、今はきいちゃんも俺を大切にしてくれるんだ。
色々考えが交錯する中、車は宇都宮市街地へとコマを進めていた。
<続きます。>