篠「悠太さん。」
きいちゃんが見えなくなるのを見計らったかのように、篠塚さんは俺の隣に座って、耳元に口を近づけてきたから一瞬ドキッとした^^;
篠「(絶対に別れたりしないで下さいね。)」
俺「え・・・。」
篠「(悠太さん達みたいなカップルはホントうらやましいですから。)」
俺「あ・・・はい・・・^^」
篠塚さんも・・・俺達の幸せを願ってくれてるんだな・・・。
篠「あ、ちょっとトイレお借りしても・・・」
俺「あ、はい。そのドア出てすぐのとこです^^」
篠「すいません^^」
篠塚さんがトイレに立ちあがるのと入れ違いに、きいちゃんが寝室から出てきた。
霧「トイレ?」
俺「そ。」
俺はさっき篠塚さんに言われた「お願い」をきいちゃんに言おうかなって思ったけど、わざわざ耳打ちした位だから、俺の心の中に大切にしまっておくことにした。
霧「お茶飲む?^^」
俺「あ、うん。ありがと^^」
霧「つかメンドいからボトルごと出しちゃうか。」
俺「そだね。」
冷蔵庫からボトルのお茶を持って、また隣にぴったりとくっついて座った。
霧「なあ・・・」
俺「ん・・・?」
霧「学科試験さ、明後日にしろよ。」
俺「ん?いや別に良いけど・・・何で?」
霧「明日ゆうとまったりしたいんだ。」
俺「あ・・・うん・・・*^^*」
霧「もちろんまったりだけじゃなくて・・・」
きいちゃんの目は明らかにあの目。俺の太ももを擦りながら妖艶な表情を浮かべてる。
俺「・・・ヤラシイな・・・*^^*」
霧「ゆうだって・・・可愛い顔して・・・」
心なしか、太ももの上の手が、徐々に上に上がってきていた。
俺「きいちゃん・・・篠塚さんまだいるんだぞ・・・」
霧「だから・・・?」
きいちゃんの手は内ももを行き交って、たまに指先が中心部にツンツンと当たって来る。
俺「頼むからヤメて・・・勃っちゃう・・・」
霧「まだ篠塚がいるのに・・・?」
俺「だからヤメて・・・ヤメロって・・・」
もう我慢の限界って時、ようやくトイレの流し音が聞こえたから、俺はきいちゃんの手を払いのけて、何事もなかったかの様に身なりを整えた。
霧「すっきりした?」
篠「え・・・やだそんな事聞かないで下さいよーっ^^;」
俺「そうだよきいちゃん、女の子相手に^^;」
霧「わりいわりい^目^」
きいちゃんってジェントルマンなのかおバカさんなのか未だにわかんないな・・・^^;
いや、2つを併せ持った、味の深い男なのかな。
そういうところに、俺は惹かれたんだろうな。
篠「あ、もうこんな時間。」
時計をふと見ると、もう9時過ぎ。
テレビでは紳助さんがいつもの様にチリチリ東野をいじってスタジオを笑かしていた。
篠「私そろそろ帰りますね^^」
俺「あ、わかりました。お気を付けて^^ あとネックレスありがとうございました。」
篠「いえこちらこそ、美味しいご飯ごちそうさまでした^^」
霧「また連絡すっから^^」
篠「わかりました^^ あ、後片付けホントに・・・」
霧「ああ、気にすんな^^ 俺達でやるから。」
篠「すみません^^; じゃあおやすみなさい。」
俺「おやすみなさい^^」
挨拶もそこそこに、篠塚さんはヒールをカツカツ言わせて帰って行った。
俺「さ、後片付け。」
霧「よしっ。あ、どうする?俺が洗うかお前が洗うか。」
俺「ん〜・・・」
霧「あ、いや、俺が洗うわ。ゆうは食器棚にしまってくれる?^^」
俺「良いよ^^」
=====
ちいさなホームパーティの欠点って、後片付けがいつもの倍以上な事。
皿の数も多ければ、使った調理器具も多い。
作りながら少しは洗っておいたけど、それでも多めだ。
俺は残り物を簡単に整理しながら、流しにお皿を入れ、それをきいちゃんがせっせと洗っては洗いかごに並べてく。
その洗いかごに並んだ皿たちを、俺がふきんで丁寧に拭いて、食器棚の元の場所に戻していった。
ちいさなホームパーティの欠点+すすんでお手伝いしてくれる綺麗好きの優しい彼氏=仕事がてきぱきと進む。
この方程式が大正解な様で、あっという間に片付けも終わった。
俺「ふぅ〜・・・」
霧「お疲れ^^」
俺「お疲れぇ・・・^^」
綺麗になったダイニングテーブルを見た途端、どっと疲れが出て、椅子にどっしりと座り込んでしまった。
霧「今日はありがとね。」
疲労困憊の俺のおでこに、きいちゃんはそっとキスしてくれた。
これが何よりも効果的な癒しなんだなぁ。
霧「今日はもう風呂入って寝よ^^」
俺「うん・・・そ〜するぅ・・・^^;」
霧「じゃあ風呂沸かしてくんね^^」
俺「うん。」
きいちゃん・・・ありがとう・・・。
=====
一緒に風呂でくつろぎ、ベッドの上で変わりばんこでマッサージをして、俺はきいちゃんの運転疲れを癒し、きいちゃんは俺の料理疲れを癒してくれた。
マッサージした後は2人ともウトウト一直線。
霧「アラーム何時にする・・・?^_−」
俺「つけなくて良いじゃん・・・?^_−」
霧「・・・そうだな・・・^_−」
明日は一日きいちゃんと自由に過ごすんだしね。
霧「ゆうぅ・・・」
俺「ん〜・・・?」
霧「寝る前のキス・・・*^_−*」
俺「ん〜・・・^_−」
優しいキスをして、俺たちはあっという間に夢の世界へと旅立っていった。
<続きます。>